嗅覚って記憶に直結してるっていうじゃないですか。あれ結構都合いいこと言っとんなとずっと思ってて。

香水をつけるひとが周りにあまりいなくて、というより人の匂いなんてあまり意識したことないし、みんなタバコの匂いしかしないし、みたいな。


人生で1番覚えてるのは母親が台所で魚焼いてニラ玉炒め(好物)作ってる匂いとばあちゃん家の樟脳の匂い。色っぽいのだとエアコンの入ってない恋人の部屋で胸いっぱいに吸い込んだ夏の匂いと、好きだった人と一緒に行った花火大会の火薬と水辺の匂いと君が飲んでたソルティライチの混じった吐息。エコーの煙。

思い出したら結構あるね。


先日駅のホームで思わず振り返ってしまったことがあって。ライブハウスで染み付いたであろう吸わないタバコと香水の混じった匂い。目で追ってみたらどこにでもいるバンドマンの後ろ姿。髪の長いベーシストでした。どうにもならない恋をしていた18歳の記憶が呼び覚まされて動悸がした。


高3の夏休み、親友と夜行バスで東京へ。待ち合わせたのは東京駅日本橋口のスタバの2階席。少し遅れてエスカレーターを上がってきた姿を今でも鮮明に覚えてる。女子高生2人と成人男性2人、奇妙なお茶会を経て解散。ゲームセンターで遊んでご飯を食べてドンキでお菓子なんかを買い込んで総武線に乗った。駅からアパートまでの寂れた商店街。TRICERATOPSのライブDVD。深夜に手を繋いでアイスを買いに行ったセブンと変な柄のTシャツ。早朝を告げる角のパン屋の匂い。カルバンクラインの黒。親に内緒で買った2台目の携帯。お揃いのカエルのストラップ。安物の指輪。誕生日に届いた手紙。ライブのチケットの半券。グッズのタオルとステッカーとお守りにしてたピック。全部燃やしたときの煙と涙。



こんなとこにいるはずないことも、大切な家族が出来たことも、あの人はきっと思い出しもしないであろう遠い昔の記憶。


実は上京してすぐに働いた場所が偶然にも当時の最寄(その後わりとすぐ引っ越したらしい)だったんですがその時は懐かしいなーぐらいだったのに、この日はタイムスリップでもしたのかと思うぐらい鮮明に思い出して懐かしくて泣くかと思った。

いやー匂いの記憶、侮れないわ。笑




私も記憶に残れる人物でありたいね。
香水つけないけど。




忘れてくれていいからどうか幸せで
じゃないとあの頃の私が報われないので。
それから
苦しくなるぐらいの思い出をありがとう。
私は私の幸せを探して今日も生きてます。


それじゃあ、来世で。


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写真はその駅からの夕日。