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そう言ったのは、かつて一緒に働いていた地元のカフェの先輩。
前職がマッサージ師だった彼女は「だから足ツボなんかを続けていると、他人の足から悪いものを取り込みすぎて疲れちゃうんだよね」とこぼした。当時10代だった私は、ただの"マッサージ"ではなく"仕事"をしていたからこそ出る言葉だなとぼんやり感じていた。

言葉というのは、頭の片隅にとっておけば腑に落ちる瞬間というのが後からやってくるものだ。
あれから随分と大人になったわたしは、悪いものを溜めないようにと毎日の足ツボマッサージが習慣になっている。

同じく19歳の頃に友人に言われた言葉で、ずっとお守りにしているものがある。
「あなたの手はモノを作って生きていく手だよ」と。
それから、目の前が暗くなってしまう度に自分の手のひらを見つめるのがクセになった。
「自分になにができるんだろう」ということをひたすら自問自答して毎日にしがみついてきた26年間。この手のひらで、一体わたしになにが産めるんだろう。


先日、陶芸家ブロガーのユキガオさんが投稿していたこんな呟きを見つけた。

もう、いっぱいいっぱいのタスク。現状、地方出張中。
悩みに悩んだけど、「やりたいです」と声をかけることにした。

「つくりて同士を繋ぐ・掛け合わせる・コラボする」というコンセプトに沿ってそれぞれのクリエイターが作品を作り、一つのバナーを作成する という企画。

思い浮かんだのは、10代の頃によく作っていたコラージュと刺繍の工作だった。

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厚紙にコピー用紙を貼って

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手のひらの写真を撮って印刷してそれも貼って、ちぎり絵で文字を書いて

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手芸屋さんに買いに行った糸でその上から刺繍をする

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久しぶりに。ああ、できた と声に出した。産んだ!産みの喜び!と深夜に小さく叫んだ。


「あなたの手はモノを作って生きていく手だよ」という言葉には、実は続きがある。

「だから、自分で自分を傷つけるための手じゃないんだよ。」

逃れられない苦しみを、どうにかしようともがいていたあの頃のわたしは「なのに手首を切る勇気すらないし」と打ち明けた。そうしてあの時友人から返ってきた返事が、大人になった今も前を向くためのお守りになっている。


なにかを作りたい人には、人と手を繋ぐのが苦手な人が多い。
だからまずは自分の手を見つめて、自分の手から出てきたもので、誰かと手を繋げれば、それでいい。


どんなバナーが出来上がるのか、楽しみが一つ増えました◎



ラジオに出てみたり
音楽に触れてみたり。

どれも、10代の時にすきだったり憧れたりしていたことたち。
まさかこんなに縁遠い土地で、こんなにも初心に返れたのは、あの頃をふと思い出すヒントにたくさん出逢ったからだ。

元居た場所を懐かしむのもいいけれど、新しい場所だからこそ見つかる自分らしさだってあるんだろう。


良いことも、悪いことも、一度飲み込んで手から出そうとする私たちは「人は手から良いものを吸収して、悪いものを足から出す」という説には逆行しているのかもしれない。

でも、どうせずっと逆行ばかりしてきた人生だ。

わたしは自分の足でどこまでも歩いて、良いものをたくさん吸収して、手から出して生きていくよ。