月別アーカイブ / 2015年03月


『神様はじめました』、一昨日の3月29日に、全ステージ無事に終わりました。
ご来場いただきました皆様! 本当にありがとうございました。

いつも舞台は自分主宰の「秦組」ばかりなので、
「雇われ演出家(プロデューサー・チェックあり)」
「原作あり(原作者チェックあり)」
「はじめましてのキャスト陣(しかもほとんどが20代の若い役者ばかり)」
と、今回はとてもスリリングでチャレンジのしがいのあるお仕事でした。

そのうえ、初ミュージカル。
しかも、脚本打ち合わせが全く無いまま別進行でキャラクター・ソングが作られていて、
「秦くん、このキャラソンは全部劇中で使ってね」
詞が既にかっちり出来上がっている歌ばかりだったので、それを矛盾なく戯曲に取り込む作業は、それはもう大変でした(笑)

それらすべてひっくるめて、この年齢で、初めてにチャレンジ出来る仕事をいただけること、とても幸せだなと思いました。
戯曲執筆、オーディション、美術打ち合わせ、アンサンブル先行稽古、本稽古、そして本番。
延べ5ヶ月、存分に楽しませていただきました。

打ち上げの席で、主催会社の代表の方から「次も必ずやる」というお言葉が。
ので、『神様はじめました・ミュージカル』はまだ続きます。
今から、「次」が楽しみです。


千秋楽。満員で、みんなで感激。


ありがとう、舞台。この舞台セット、大好きでした。ビニールの袖幕とかも最高だったなあ。



最後に、有料パンフレットに掲載予定だった幻の秦の挨拶文を載っけておきます。せっかく書いたので勿体無いので(笑)

×  ×  ×

(脚本・演出 秦建日子 ご挨拶)
ギャンビットの久保社長と会ってみませんかと声をかけて下さったのは、恩師・つかこうへい先生の秘書を長くされていた浦田さんだった。
久保社長は、古くからのつか先生のご友人とのことだった。
ぜひとお願いし、数日後、築地のお寿司屋さんでお目にかかることになった。
少し遅れて到着された久保さんを見た瞬間、ぼくは驚愕し、背筋は伸び、足は即座に正座に組み直された。
久保さんの放つオーラが、かつて先生が身にまとっていたオーラととても似ていたのだ。
それから数カ月後。
久保さんから直接電話をいただいた。
「秦くん、突然なんだけどさ。ミュージカルの演出やってみない?」
ぼくはずっと、つか先生から何か言われたら必ず「やります。やらせてください」と即答することにしていた。
本当に出来るのかとか、そういうことは考えない。先生からやるか?と聞かれたら即答で「やります」。
久保さんから電話を貰った時、その感覚がパッと甦った。
「やります。ぜひ、やらせてください」
時期未定。劇場未定。原作未読。ミュージカルの演出経験ゼロ。
でも、だからこそチャンスなのだと思った。
「OK。じゃ、『神様はじめました』っていう少女マンガなんでよろしく」
久保さんは明るい声で仰った。
「え? 少女マンガ、ですか?」
「おう。女子高校生とキツネが恋をしてキュンキュン♪キュンキュン♪って話だから」
「キツネと恋してキュンキュン?」
秦建日子と言えば、オファーの大半はサスペンスである。連続殺人だったり猟奇殺人だったりである。そんな人間に、女子高校生とキツネのラブコメ! さすが師匠の古くからのご友人だけあって、度胸は満点である。ぼくは早速書店で全巻購入し、キツネにキュンキュンする女の子心の勉強に入ったのだった。

ミュージカル初演出の人間を信じて集まってくれた、すべてのキャストとスタッフに感謝します。
素晴らしい原作を提供してくださった鈴木ジュリエッタ先生に感謝します。
そして、ご来場いただいたお客様。本当にありがとうございます。

『神様はじめました』、最後までごゆっくりお楽しみください。

『神様はじめました』も、稽古は残すところあと一日。

というわけで、突然だけれど、アンサンブル・キャストの紹介をしたいと思います。

メイン・キャストは、役名もきちんとあるし情報もたくさんあるけれど、アンサンブルは身内でなければ誰が誰だかなかなかわからないじゃないですか。

でも、今回は、本当に素敵な人材が集まっているんです。ここから次の演劇界を背負っていくような人間が何人も出てきてもおかしくないと思っています。

なので、『神様はじめました』をご観劇の際は、ぜひアンサンブル・キャストにも注目していただけたら嬉しいです。

というわけで、大勢いますが、頑張って書きます(笑)

 

相澤光=たくさん出ております。鬼婆の心臓をお手玉。鞍馬との戦いで武器を返して貰った時のリアクションが秦は好き。妖怪最終兵器の「右手」。 いいですよ、彼。安定感がある。演技にムラが無いというか。なので、実は5月も一緒にやることにしました!
 

赤峰裕之=たくさん出ております。奈々生の父。布団片付け男。大木を振り回す怪力男。何も悪いことをしていないのに「誰だおまえ!」と二度も怒鳴られている男。妖怪最終兵器の「頭」。コメデイ系の劇団に長く所属していたので、何気ないシーンを面白くするのが上手いです。
 

伊藤沙弥香=たくさん出ております。冒頭でバレエ。祭りでセンターでくるくる回ってます。秦が最高に気に入っている「巴衛列車」の4両目。「おまえたちが出て行け!」「殿方はバカなおなごの方が好きなのだろう?」スケール感を強く感じます。これから大化けしそうな予感がするんです。業界関係者の方、ぜひこの子に注目して欲しいです。
 

大坪あきほ=たくさん出ております。原作にある「あみ」役。参詣客。そして、秦が最高に気に入っている「巴衛列車」の2両目。「どうか元気な赤ちゃんが産まれますように」「デートいいなあ……」「巴衛様、もしかして、ここって危険な場所ですか?」お世辞抜きで、毎クール、テレビの連続ドラマのレギュラーをやっていておかしくないレベル。 
 

大見洋太=たくさん出ております。ぶっちゃけ、稽古開始時は、ダンスが踊れるけど演技はド素人だったのですが、いつの間にか自分で演技プランを考え、しっかり芝居をするようになりました。すごい成長率。妖怪最終兵器の「左手」。メイクすると、ちょっとだけフレディ・マーキュリー(笑)
 

替地桃子=たくさん出ております。鞍馬シスターズの左端。秦が最高に気に入っている「巴衛列車」の先頭。「ひっつくパンツ!」「巴衛様、ここまでくれば安全かしら♪」 演技は出来るしダンスは上手いし歌は上手いし、とにかく何でもイケる子。こういう子がアンサンブルに入っているのが『神様はじめました』の凄いところ。
 

加藤真也=たくさん出ております。鞍馬と死闘を繰り広げる「四代目妖かしブラザーズ」。序盤では、群唱でも目立ついい位置にいます。若くて真面目で稽古熱心で、可能性は無限大。
 

工藤彩=たくさん出ております。冒頭はど真ん中で歌ってます。転校してきた鞍馬を見つけて大騒ぎ。目玉おやじとのデートに浮かれて大騒ぎ。「私、今度目玉おやじとパンケーキ食べに行くんだ♪」 歌も上手いしダンスも上手いのだけど、それより何より、秦はこの子の発する「熱」が好き。熱い役者。こういう若手と、秦はもっと芝居を一緒に作りたい。
 

倉澤雅美=たくさん出ております。廃神社にいる妖かしの下手側一番前。鞍馬に抱かれて絶叫する女子高生。コナギジジイのことでケンカしている女妖怪。歌もダンスも素晴らしい。「私は一度死んでるわ!」 オーディションの応募用紙に、この子だけ「アンサンブル希望」とわざわざ明記されていた。謙虚過ぎないか?(笑)そして、オーディション合格第一号。
 

小林照平=たくさん出ております。祭りの時に左端でソロ。巨大な赤い爪妖怪。ムジンジャーのひとり。妖怪最終兵器の「左足」。もしかすると、彼が「戦神」を演じるレアな回もあるかも。今回の男性アンサンブルでは、彼が実は一番二枚目だと思う。身体もキレるし、格好いいです。
 

佐達ももこ=たくさん出ております。冒頭でバレエ。参詣客。そして、秦が最高に気に入っている「巴衛列車」の3両目。ギャグでも何でもないのに「んまあ!鬼火童子が生意気じゃ」というセリフで毎回笑ってしまう。すごく好き。実は、オーディションの時は、キャスティングしようか最後まで迷ったんですよね。まさか、こんなに女優としての資質が高いとは。これからの活躍が本当に楽しみ。
 

室井一馬=たくさん出ております。鞍馬に刀を奪われる間抜け妖怪。妖怪最終兵器の「背骨」。そして、なんとなんと、鞍馬の兄「二郎」でもあるのだ。二郎、すごくいい。まったく出しゃばらない男だけれど、さりげなく稽古場を明るくしている素敵な男。
 

山内優花=たくさん出ております。鞍馬ダンスのある意味主役。失神芝居のお手本のような見事な失神。鬼切虎徹を襲う女妖怪。今回、アンサンブル女子はみんなダンスが上手いけれど、その中でもこの子のダンスは最高。上手いだけじゃなくて、なんというか、役者の意地みたいなものまで感じさせてくれるダンスなんですよね。見ていて本当に心つかまれます。
 

山沖勇輝=たくさん出ております。布団片付け男。長槍で仲間を刺してしまう間抜け妖怪。鞍馬にブレイク・ダンスで戦いを挑む。「手厚くもてなして、寝込みを襲おうと思っていたのに」華があるんですよ、すごく。しかも、リーダーシップもあって稽古場では実に頼りになります。
 

山崎裕太郎=たくさん出ております。鞍馬と死闘を繰り広げる「四代目妖かしブラザーズ」。歌はもしかしたら苦手なのかな? でも、一度も泣き言は言わないし、凹んでいる顔も見せないし、出来るまでとにかく練習するし。好きだなあ。もちろん、ダンスは上手いし身体はめっちゃキレます。
 

山田翼=たくさん出ております。「こうなったら手荒な真似をするしかねーなー」まんま時代劇に出てくる悪徳商人越後屋。「では、あの娘を食べるのは諦めますか」すっごく個性的なセリフ回し。毎回心の中で(どんな芝居だよ、おい)と突っ込みながら見ているのですが、これがまあ不思議と癖になってきます。彼の「遠くを見る目」も好きです。忍者妖怪として鞍馬と一騎打ち! 
 

矢ノ目光明=たくさん出ております。基本、妖怪役なのですが、とにかく怖くない(笑) 笑顔・笑顔・笑顔! すっごく笑顔! でも、それがこの作品ではベスト・マッチ。妖怪最終兵器では「右足」。笑顔!
 

由月杏奈=たくさん出ております。いろんなところで踊りつつ、ストーリー的に重要な「ケイ」役と「ツクネ」役。どちらも原作から。色っぽいんですよね。タレントやモデルさん的な色っぽさじゃなくて、女優的色っぽさ。「私は男を取るよ」「あなたはきっと、誰のことも愛さないまま逝かれるのでしょうね」 実はまだほとんど女優としてのキャリアが無いと聞いてびっくり。そして、これからが楽しみ。
 

渡部光夏=たくさん出ております。冒頭ではど真ん中で歌ってます。ラストでは、皆のクレッシェンドを指揮してます。鬼切虎徹を襲う女妖怪。鞍馬に抱かれて失神した同級生を介抱したりもしています。「鞍馬様と目が合ったら、私もう死んでもいい」「あのコナギジジイ、マジ、ムカつく」。歌も演技もダンスも、全部、力強さがあるのがいい。


 

これで全員! 

(長文が一度全部誤操作で消えてしまい、最初から書き直していたらこんな時間に。。。)

『神様はじめました』を観ないと、意味不明の文章だらけだと思いますが、観てから「あれやってたのは誰だろう」と思った時に、少しでもその検索の役に立てば嬉しいです。

残り稽古1回。

悔いの残らないよう稽古してきます。


では、行ってきます。

『神様はじめました』の稽古も佳境ですが、
すみません、次の公演の告知をさせてください。

● 秦組「らん」スピンオフ・オムニバス作品 第3弾
『石影さま、京都行くってよ~激闘赤谷編~』
2010年・俳優座、2011年・前進座にて
大好評を得た秦組公演「らん」のスピンオフ作品第3弾

本公演「らん」のオリジナル・キャストもいますし、
「くるくると死と嫉妬」や「神様はじめました」からの参加もあり。
そして、まったくの初めましての方もあり。
とっても楽しみな座組になりました。

もちろん「らん」をご存知ない方でもお楽しみいただける内容になっております。
どうか、たくさんの方に観ていただきたいです。
よろしくお願いします!

★ CAST
<赤谷>
築山万有美、滝佳保子、藤原習作、徳城慶太(HIROZ)、加藤清恵
<影軍団>
平山佳延、秋山ゆずき、佐藤義夫、半野雅、村山健太、石井真司、相澤光(HIROZ)
<一の村>
徳永笑美里、葛城あさみ、富田大樹

★ 公演
2015年5月20日(水)~5月24日(日)

5/20(水)19時~
5/21(木)14時~、19時~
5/22(金)19時~
5/23(土)14時~、19時~
5/24(日)12時~、16時~
開演時間の30分前からご入場いただけます。

★ 劇場
テアトルBONBON 東京都中野区中野3-22-8 http://www.pocketsquare.jp/bonbon/index.html
(JR中央・総武線、東京メトロ東西線、中野駅南口より徒歩5分)

★ チケット
全席指定 前売・当日とも3,800円
チケット発売:4月4日(土)10:00より
http://481engine.com/rsrv/webform.php?sh=2&d=e65e8d2e1d

お問い合わせ officebluebutai@gmail.com

★ スタッフ
総合演出/秦建日子
脚本・演出/松下修、築山万有美、秦建日子
音楽/立石一海
舞台監督/武田左京、田中新一(東京メザマシ団)
照明/島田昌明((有)銀河プロジェクト)
音響/板谷雄月
制作/木村正和、富永旋津子
製作/OFFICE BLUE  http://officeblue.jp/

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