舞台の稽古が始まると、情緒が不安定になる。
センチメンタルな感情によく襲われる。
と同時に、怒りっぽくもなる。
疲れる。
自分で自分の戯曲を「壊す」作業が続く。
書いた時はあんなに気に入っていたのに。
でも壊す。
より面白くなる可能性を感じたら、とにかく一度壊す。
壊して壊してまた創る。
秦組の稽古が始まって一週間くらい。
「タクラマカン」はどんどん新しい芝居になってゆく。
今回は初めて、戯曲を製本して印刷した。
でも、戯曲通りのシーンは、既に半分も無い。
キャストはみな輝いている。
その輝きに、演出家はいつも嫉妬をする。
稽古時間は連日10時間。
みんな、稽古初日からほとんど台本を持っていない。
誰も手を抜かない。
誰もネガティブな空気を出さない。
時間が濃い。
脳をとにかく回し続ける。
演出家のアイデアが止まってキャストが「待ち」になる時間が嫌いだ。
甘いものを食べ続ける。
当然のごとく太る。
明日ももちろん稽古だ。