月別アーカイブ / 2011年05月

 あいにくの台風日和でしたが、
「嵐」もまた「らん」ということで、
思い出に残る一日になりました。

14:05にスタート。
休憩を挟んで3時間。
ダブル・コールの後、更に強くお客さんから拍手をいただき、
最後はスタンディング・オベーションの中、秦組4「らん」は幕を下ろすことが出来ました。
観に来ていただいた皆さん、本当にありがとうございました。

今、スタッフ&村人・羅刹が、舞台セットのバラシを始めています。
ぼくは、そのてのことは、実に役立たずなので、楽屋でブログを書いております。

思い返せば、
初演はいろいろとあり、
再演を決めたときにもいろいろあり、
稽古期間中も、本番中も、それはもういろんなことがあり、
なぜここまでして芝居を作っているのはわからなくなる程度のことは、しょっちゅうありましたが、
最終的に出来上がった芝居がよければいいんですよね。
途中経過はすべて些事。

人生最後の舞台になっても悔いはない。
そうきちんと思える作品を、今回はなんとしてもやるのだと思っていました。
今、千秋楽を終えて、その極めて個人的な目標だけは、達成できたかなと思っています。

あと、ぼくに残された仕事は、
撤収機材の積込み。
乾杯の音頭。
大入り袋をキャスト・スタッフにお渡しすること。
そして、機材運搬車を運転すること。
こんなものかな。

すべて終わってひとりになったら、
キャスト・スタッフ・そしてお客様に感謝しつつ、
一杯飲みたいと思います。

 

かつての同僚・白石まみが、処女小説「欲ばりたい女たち」を出版しました。
嬉しい! めでたい! 喜ばしい!
この舞台が終わったら、ゆっくり読ませてもらおうと思います。

白石さん、おめでとう。

秦組4「らん」。
順調に公演を積み重ね、本日、無事に、折り返し。
ここまで、ほぼ満員御礼。
信じられない思いです。

吉祥寺でやると決めたとき、
19時開演の平日は、集客は難しいだろうと思っていました。
稽古の途中で、
「休憩を入れて、3時間近い作品にしよう」
と決断したときには、
(吉祥寺で終演22時じゃ、ますますお客さんは来てくれないかも)
と、正直、覚悟を決めていました。

それが、初日のマチネ・ソワレ直後からどんどんと口コミで予約が伸び、
平日も―――それも、ソワレだけでなくマチネまで―――すべて満席に近い状態だなんて、
本当に感無量です。

毎日、劇場の最後列から「らん」を見ながら、
この作品をこんなに大勢のお客様と一緒に分かち合えている幸せを、
いつも噛みしめています。

ご来場くださったすべてのお客様に感謝します。
本当にありがとうございます。

そして、制作部のみんな。
キャストのみんな。
スタッフの皆さん。
感謝します。
ありがとう。


実は、今日あたりから、
演出家モードと平行して、一観客としても少しずつ芝居を楽しみ始めました。

月影に選ばれたわけでもないのに、それでも彼女のために体を張る一影、二影、四影の献身や、
最後、出刃包丁と竹槍で大殿様に突っ込む村女ふたりの裂帛の気合いとか、

「あー。このシーンを入れたくて再演したんだよな」
などと思いつつ、彼らにすごく感情移入して観てました。
名もなき者たちの―――劇中、彼らは一度も名前は呼ばれない―――それでも爆発させずにはいられない「意地」みたいなものが好きなんですよね。



さ。
後半戦、気持ちを新たに頑張ります。
残り4公演、どうぞよろしくお願いいたします☆




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