思えばこの頃がいちばん幸せだった。
心が満たされるってこういうことなんだなって感じてた。
私達はあの夜から付き合い始めていました。

Cは冬のコンサート、年明けの舞台、来年夏から始まるドラマ、ラジオやバラエティーの収録、雑誌の撮影など、とにかく精力的に動いてた。
私は自分が芸能記者だということはCはもちろん、誰にも明かしませんでした。
時々、彼から「OLなのに土日も働くんだね」と聞かれたけれど「テレビ局だからさ!」と誤魔化せば彼は納得していた。

この時、私は28歳で彼は26歳。
Cのアイドルという立場上、この年齢で結婚は無理だとわかっていたけれど彼の先輩には前例があったから、「私もできちゃった結婚をすればいいんだ!」なんて密かに思っていました。

この頃から彼はアイドルという職業や見せ方に真摯に向き合うようになっていました。
今までは事務所が持ってきた仕事をこなしていくという感じだったけれど、舞台を始めてからはそこに面白さを見出だし、芸能人としての生き甲斐を感じ始めていたように思います。

どこまでも純粋で透明感のある人だった。
彼といると、芸能界の汚さがまるでないもののように感じられた。
そんな汚い世界で生きる彼を私は何を犠牲にしても守りたいと本気で思っていました。

そして年が明けます。
彼と私は夏にハワイに行く予定を立てていました。
大好きなCと大好きなハワイに行けることがすごく嬉しくて、それがどうか叶いますように。

4年前に週刊誌に激写されてから彼はものすごく気を遣っていたし、私も芸能記者の知識を活かして彼らがいそうな場所には絶対に行かなかった。
「もうすぐ桜が咲くね」。
そんなことを話していた頃、私と彼の間にこれまでにない激震が走ります。

私が芸能記者であることがCにバレました。情報が漏れていたんです。