【前回のあらすじ】
美容院のコンセプトを決めるにあたり、ターゲットを設定した。


『34歳のAGA(男性型脱毛症)に悩む独身男性』


お店のターゲットを決める際は「ターゲット層」を決めるのではなく、より詳しい「ターゲット像」を決めることが重要だということに気づいた。


そんなターゲットが通い続けたくなる美容院。

それはどんな美容院なのだろうか。


第3話の詳細はこちら



【第4話】現実の壁


ターゲットが決まると様々なことが必然的に決まる。

例えば、場所や営業時間、メニュー展開から価格設定まで。

全てはターゲットに合わせれば良いので、そんなに難しい問題ではなかった。


イメージするだけで次第に気持ちは高まっていった。



その先走る気持ちを抑えながら
『明確なコンセプト』
について考えてみた。


ん?
ところでコンセプトって何だ?

コンセプトが重要なのはわかっていたが、コンセプトがなくてもターゲットがしっかり決まっていれば、コンセプトを決める必要性を感じなくなったからだ。


そこで「コンセプト」をgoogle先生で調べてみると

概念、全体を貫く基本的な観点・考え方
とある。
そして、こう続く。

例えば「今度開店するレストランは"近未来"でいこう」と言った場合、レストランの店名、内外装、メニュー、広告などに、近未来的な演出を施そうという意味になります。

と。


なるほど。
でも、なんか腑に落ちない。

なぜならターゲットが明確に決まっている以上、コンセプトは?と聞かれても


『ターゲットが喜ぶヘアサロン』
すなわち
『薄毛に悩む男性のコンプレックスを軽減するヘアサロン』
という事以外に思いつかないのだ。


あ、これがコンセプトか。

たしかに明確といえば明確だ。


よってサロンのコンセプトは
『薄毛に悩む男性のコンプレックスを軽減するヘアサロン』
で決まった。



つぎに『独創性』だ。

メンズサロンは沢山ある。
しかし、薄毛にターゲットを絞っているサロンは皆無に近い。

皆無に近い、といえどあることはあった。
大手育毛メーカーや、カツラメーカーがやっている美容院だ。

ただ正直あまり格好良いものではなかった。

『格好良くてオシャレなんだけど薄毛対策に特化しているメンズサロン』

それは日本中どこを探しても存在していなかった。



そして最後に
『永続的な需要』

これに関しては自信があった。
男性の薄毛問題は永遠のテーマだ。

薄毛に悩む男性は1300万人いると言われている。
どんなに医学が進歩しても、実用化はまだ程遠い。
もうしばらくは需要が見込める。



さて、3つの条件がそろった。

ということは勝算があるという事だ。


「間違いない。これは行ける。」


そう思った時。




ふと、数字的な問題が脳裏をかすめ、浮き足立っていた自分が一気に現実世界に引き戻された。




なぜならその当時、サロンの月売上げは60万円ほどだった。



美容師をやってない人にはピンとこないだろうが、大体月売上げの目安として

・100万以下
うじゃうじゃいる平凡プレイヤー
・100〜200万
その店のメインプレイヤー
・200万〜300万
トッププレイヤー
・300万以上
よっ!人気者!プレイヤー

と言ったところだろう。(あくまで個人的見解)

大体150万を超えたあたりから独立を意識し始め、200万を超えそうなくらいで独立する人が多いのではないだろうか。



そう。



そもそも60万ごときの売上げじゃ「激戦区で独立」なんて現実的に出来る訳がないのだ。




【あとがき】

現在、当店のコンセプトは
『ヘアデザインで人生を変える』
で統一している。

『薄毛に悩む男性のコンプレックスを軽減するヘアサロン』
というのは当たり前すぎて、自分の中でコンセプトとしては弱いのではと考えていた。

しかし今回の記事を書き、自分の考えを整理しアウトプットすることでそうじゃないことに気づいた。


当店のコンセプトは、紛れもなく
『薄毛に悩む男性のコンプレックスを軽減するヘアサロン』
である。

そして
『ヘアデザインで人生を変える』
は企業理念なんだということに気が付かされた。

頭の中でコンセプトと企業理念がごっちゃになっていたのを整理する良い機会になった。

_var_mobile_Media_DCIM_110APPLE_IMG_0883.JPG
写真は居抜き物件の内見の様子。このサロンが後のINTIになる。
当時はもちろん個室のための壁もなく、セット面4席、シャンプー台2席のすごくシンプルなヘアサロンだった。