まず最初に連絡があったのは現地調査を行った内装業者からだった。

ガスや水道、電気容量などに特段の問題はなく、美容院ができる設備は整っているとのこと。

そして内見から1週間後に連絡があったのは不動産屋からだった。

オーナーへの架け橋はブッチャーしかいない。
ここは頑張ってもらわなければならなかった。

オーナーの判断が出る1週間の間もマメに連絡を取り
「私の中では宮本さんで決めてますから!」
と言ってもらえるほど信頼関係を築くことができていた。

その上での連絡だったので半ば安心して電話に出た。
話を聞くと、美容院のオーナーは良い顔はしてないようだ。
まあ、そりゃそうか。

しかしオーナーは大丈夫と判断したとのこと。
女性がターゲットではないというのがホームページを見て理解いただけたようだ。
ブッチャーもプッシュしてくれたらしい。

他のテナントがどんなに嫌がっても最終決定権はオーナーにある。
とはいえ、お客様を取り合う気はさらさらないので菓子折りでも持って挨拶にでもいっておこう。

何はともあれ良かった。
ブッチャーグッジョブ。


さて、これで美容院出店の条件は揃った。

残すは融資だ。


私は融資相談に必要となる内装費、什器、物件取得費などすべての見積もりを急いで集めた。
見積もりの総額を見てこれまでとの金額の差に驚いた。
今回の店舗は広さが37坪もある。
実に渋谷店の約3倍の広さだ。

美容院の内装費は大体、坪40万くらいが平均的だろう。
40万だとしたら1,400万くらいかかることになる。
これにシャンプー台やイス、ボイラーなどの什器が入る。
もちろん席数が増える分、その数も増える。
さらに保証金や仲介手数料などの物件取得にかかる初期費用だ。
トータルで2,000万では効かないだろう。

大きな会社なら何ともない金額なのだろうが、INTIにはバックグラウンドとなっているような会社はない。
出資先の会社もない。

ある程度は見栄えの良い売上や勢いの様なものを見せれてはいるが、まだまだ若造の会社だ。
銀行とのやりとりにも年月かけて積み上げたような信頼や実績がない。

ただでさえ、2018年1月から2019年3月までのたった1年2ヶ月で、今回で実に4度目の融資申込みとなる。

しかも額がこれまでで1番大きいときたもんだ。


銀行が今回の融資に慎重なのは当然のことだった。

さらに今回は保証会社は使わず、プロパーでの融資を希望している。
プロパーでの融資は銀行が丸々リスクを背負うので審査はより厳しいものとなる。

こうやって見つめ直すと飛んだ勘違い野郎にも見えてくる。


そんな勘違い野郎に担当のヒデシマからプロパーでの融資にあたり、初めて耳にする条件を提示された。

「預金担保」というやつだ。
初めて聞くその条件の理解に多くの時間はかからなかった。

これは読んで字のごとく、今ある預金を担保とし簡単に崩せない預金として一旦銀行に預け、同額もしくはそれ以上の金額を借りるといった感じだ。
例えば100万借りるのに60万の預金担保が必要としよう。
銀行としては60万抑えてあるので、万が一何かあっても回収漏れは残りの40万で済む。

預金担保が厄介なのは、原則返済が終わるまでは下ろせないので、多額の預金を担保として入れてしまうと有事の際には会社に余力がなく、キャッシュフローが圧迫されるというリスクがある。


具体的にお願いされた預金担保の金額公表は控えるが、マジかってくらいの金額を提示してきた。

その金額を聞いた上で税理士と相談した結果、その額での預金担保の提案は拒否することになった。
一旦初期費用の全額融資を断念し、今後問題のない預金担保の上限額を決めた。
その上で決めた預金担保額の範囲内で融資可能な金額の上限提示を銀行に求めた。

もし銀行が提示してくる融資上限が大幅に初期費用を下回る金額だと、自己資金で賄うか不足分は別の融資先を探さねばならなかった。


しかも問題はこれだけではない。
物件は未だ申込みの状態でストップしており、本契約には至っていない。
本契約の締結、および物件初期費用の全額入金は3月末というのが不動産屋の期限だ。
それもそのはず賃貸の開始日は4/1〜になっているのだ。


この時すでに3/13。

3/12〜13で福岡から東京を往復し、先ほどの銀行との交渉、ならびに内装打ち合わせを済ませた。

あと2週間ほどで審査の可否を。
なんて悠長なことを言っている余裕は微塵もなく、是が非でも早期に可決されることを願い、早急に融資実行されなければブッチャーがあんなに頑張ってくれた物件の本契約期日に間に合わない。


私は福岡に戻りヒデシマからの連絡を待った。



【あとがき】
ここまでが物件を内見した日から、たった15日間の出来事だ。
目まぐるし過ぎて吐きそうである。
特に今回のブログは「生」だ。
リアルタイムであればあるほどブログは活きる。
3/13に起きたことを3/13に書いてアップする。
これほど臨場感があってドキドキすることはない。
前にも書いたが、良い時もダメな時もこのブログに書くと決めている。
決して良い時だけを自慢するようなブログではなく、リアルな美容院経営を綴っていけたらと思っている。
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新宿物件の店内。
事務所使用のままカーテンで区切り、エステ店として使っているようだ。