文芸誌の編集者、美希のお父さんは
定年間近の国語教師
中野に住んでいて
美希が持ち込む
「日常の謎」を
鮮やかに解いてしまう
というシリーズの二冊目
今回もいろんな謎が解かれていくのです
文学史上の謎とかね
松本清張先生の話も面白かった
松本清張先生に「再春」という短編があるそうで
「主婦が小説を書き、賞を獲る
それが盗作だとされてしまう」
というような話ですが
これが松本清張先生の実体験であるらしい
ただそれだけでなく
別のミステリ論争に繋がっていきます
松本清張の横溝正史批判なんだけど
そういえば!
二階堂黎人先生の小説に
大横溝の話があって…
横溝正史記念館(架空の施設です)で
殺人事件が起こるんだけど
探偵が刑事に
「松本清張が好き、なんて刑事には
何も教えたくない」
みたいなこと、言うんですよね、たしか
横溝正史と松本清張じゃ
ミステリと言っても全然違うわけで
「そういうミステリは嫌い」
ってことかと思ってたけど
松本清張のその批判を踏まえてのことだったのかな
そして
思い出したのがこの本
松本清張先生は
子どもの頃に
ひどいいじめ経験があったんですね
そういう経験が
ああいう小説を書く土台にあったのかも
(読んだことないし、読むこともないかもしれないが)
あと、解説書いてる方が
文学記念館の学芸員さんで
「火鉢は飛び越えられたのか」に
関わった方なんだそうですが
恐縮しつつ、のその解説が
とてもわかりやすい!上手い!
それもよかったです