今年の春で東京に来て6年が経つ。
遅いと思う人もいるかもしれないが、ようやく東京に慣れてきた。
街を歩くだけでヒリヒリと肌が感じる緊張が徐々になくなってきて、ようやく思うことがある。

そろそろ仲間が欲しいということだ。

しょっちゅう毎日いる仲間ではない。
僕に情報をくれる仲間だ。

情報が足りないな、と思うことが多々ある。海外も経済もエンターテイメントも政治も、知らないことばかりだ。
これまで足りない情報を自宅で集めてきたけれど、最近になってやっぱり人から得られる情報はとても大きいなと思う。


北海道から東京に出てきて、
とにかく友達が出来なかった。
友達が出来ないのは、本当の友達が北海道にいるからだと自分を納得させた。
でもその納得はここまで僕を遠回りさせてしまった。仲間が欲しいと素直に言えるまで6年もかかった。 

東京にいる人たちはとにかくスピードが早いと感じた。
友達や仲間になるスピードが早いし、歩くスピードまで早い。
泣きながら幼馴染たちと抱き合って上京してきた僕は、そのスピードについていけないと思ったし、そのスピードを持つ人たちを妬んだ。自分に無いものを持ってる人たちを憎んでしまった。


入学した大学でも一人ぼっち。苦し紛れの勇気を出してドアをノックした演劇研究会で初めて色んな演劇や映画や小説を教わった。ここでも人から情報を得たわけだ。
僕に色々教えてくれた先輩がすぐ卒業して演劇研究会には行かなくなってしまったけれど、そこで教えてもらったポツドールという劇団の芝居に震えるほど感激して、後に『何者』という映画で三浦大輔監督に会うことができた。その撮影で過ごした時間は宝物だ。


今年になって、
もう一度どこかのドアをノックしたいと思っている。もう誰かを僻んで、逃げ道を作る生活には戻らない。

東京を歩いても、もう肌はヒリヒリしない。このスピードを超える速さで進んでいく。そんな一年にしたい。しなきゃいけない。


ひょっとしたら、新しい生活が始まって一人になってしまいそうなアナタがいたら、僕の経験がちょっとは参考になるかもしれない。

きっとアナタに沢山の知らないことを教えてくれる面白え奴が周りにいるはずで、その面白さを見つけて受け止める勇気を持つだけで、生活は楽しくなるはずだ。



藤原季節
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p.s.こんなことばかり言ってたら
圭哉さんにまた言われそうだ。


「腕磨いたらええんとちゃんかい!」