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旧ソビエト連邦の老舗時計メーカー「ボストーク」のコマンダスキー(アンフィビア)、及びその系列モデルを長年集めている。
ひとつひとつ見てみよう。 




日本じゃまず産まれないであろう盤面デザイン。
ほどよいチープさと、謎めいた種類の多さ。
そして無駄に重厚感。
これ褒め言葉。



ソ連時代の無骨なデザインと手巻き式のアナログ感がとても好き。 
文字盤下部のCCCP(ソビエト社会主義共和国連邦)がたまらない。 
これは厳密にはアンフィビアというコマンダスキーの後継潜水モデルに当たる。 
この時計の詳細はこちら
ちなみにこの裏面はロゴと200M防水表記があるダイバーモデル「アンフィビア」だが、海外サイトでの説明時にシンプルにコマンダスキー扱いになっていたりする場合もあるので、要注意。 

コマンダスキー科コマンダスキー属と、 
コマンダスキー科アンフィビア属という括りが判りやすいかも。 
ドム(地上)とリックドム(宇宙)的な。 

ただアンフィビア系(ステンレス)はケース裏側の形状に初期モデルから違いが出ていて厚みがありコマンダスキーと比較しても全体的に1mmの違いがある。 
そして、基本的には

コマンダスキー:真鍮製
アンフィビア:ステンレス

なのだが、

間違いなく横流しがあったと僕は推測していて、工場の時点でパーツをランダムに組み合わせたモデルが市場の裏側で流通していたと思っている。


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これもアンフィビア。詳細はこちら




リューズが右上についているパターンもある。
これはロシアの自動車メーカー「ラーダ」とのコラボモデル。
海外のボストークコレクターからも「はじめて見た」と言われ売って欲しいと頼まれた珍品でネット上でも全く出てこない。日本ではおそらくこのひとつのみのスーパーレア。



同じく斜めネジのエリツィンさんとロシア国旗。
下にはキリル文字CCCP (USSR)。
時代のうねりに呑みこまれる時計工場。


中央はソ連空軍の軍旗。
下段はソ連海軍の軍艦旗。比較的レア図案。


爆撃機Tu-22M。1992年リリース。


海軍パターン。
この図案はボストークの中でも古くからあり70年代から存在している。
ボストークといえば、ミリタリーウォッチとして有名なのだが、その大半は一般流通向け。



ボストーク人気の切り込み隊長とも言える陸軍パターン。
軍用時計と言われるが、ボストークが軍に納品していたものにはЗАКАЗ МО СССР (ソビエト連邦国防省発注品)という刻印がされていて一般流通はしていない。



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こちらもタンクモデル。1992年。
詳細はこちら


いちいちイラストがアチラの国らしくてかっこいい。

で、さっきのコマンダスキーとアンフィビアの違いだけど、
これはコマンダスキーで、



これはアンフィビアケース。厚みもこちらの方がある。



天と



地と。

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とても珍しいプラスチックケース。
詳細はこちら

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平和記念モデル。
詳細はこちら



レディースモデルも出している。


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オリンピック記念。
いつの開催記念かは調査中。
80年のモスクワか? でもこのモデルは85年以降な気がする。



このあたりも割と有名な図案。




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こちらはいただいたガガーリンベルトの新品。
詳細はこちら→ ガガーリンを腕に
 





1992年のガガーリンモデル。

こういう感じでソビエト時代を感じさせるさまざまな記念文字盤をリリースしている。
同じ図柄でも派生したパターンがあったりして、
当時の全アイテムを把握している人間がこの世界に存在するのかも怪しい。




こんなポップな帆船も。
ロゴ下の「АНТИМАГНИТНЫЕ」は耐磁性能を示している。


オフィシャルのケースとベルトのついたモデル。


そして、





これがЗАКАЗ МО СССРモデル。文字盤の最下部に注目。
ソビエト時代、軍関係者のみ入手できた。
が、おそらく崩壊前後は流通的にもっとユルかったんじゃないかと思う。(市場への横流しも含めて)
この数字入りのベゼル型は今世紀ではもう廃止されているタイプ。



ЗАКАЗ МО СССР。
ソ連崩壊後にこれらレアなアイテムも流れだし、それが国境越えて中国北東部の市場にも出回った訳だ。
崩壊後に軍人特権であったこの支給品モデルもロシア人達は手放しはじめたり、大使館等のお土産にもなっていたようなのでそのあたりでЗАКАЗ МО СССРはレアはレアだが探せば見つかる。 
このコレクションの多くは僕がそんな1990年代に中国の北のほうにある市場で直接買い集めたもの。
中国市場では中古ではなく、ほぼ新品が出回っていたので、ソ連崩壊と共に軍の身分証明書を必要とする専門店からの放出品だと思う。



右が一般流通で、
左が国防省発注品。
12時の蓄光パターンも違う。 70年代から存在するデザインだ。


ЗАКАЗ МО СССР。
シンプル。
非常に記載が地味だから、販売店でも違いが判らずに一般のコマンダスキーに紛れて同じ価格で売られていたりする。
と、いう事は…狙い目はそこだ。

ЗАКАЗ МО СССР 
シンプルながらコレクションの中でも状態含めレア度はトップクラス。
数字フォントの可愛さと、メモリのみの旧式ベゼル。
詳細→ボストークのコマンダスキーレアタイプ

国防省発注品といっても必ずしも軍用とは限らず贈答品としての生産もある。
先にも述べたが海外のソ連大使館で贈答用にЗАКАЗ МО СССРモデルが配布されていたケースもあるので、その用途は広かったと推測される。


ЗАКАЗ МО СССР
コレクションの中では最もレアモデルのコマンダスキー。
1960年代の未使用デッドストック。 詳細→【Dead Stock】1960's Vostok "KOMANDIRSKIE"



ЗАКАЗ МО СССР
下は上と同じ文字盤使用のケース違い。
下は年代的に70〜80年代。


これは自動巻き。Caliber2416.
文字盤のW&CMというのはウォッチ&クロックメーカーの略で1992年頃のモデルでレア。
突然の英語表記はソ連崩壊後、海外市場に向けて媚びだしたのかなと勝手に推測してみたのだが、アメリカの会社が介入してリリースされたモデルらしい。故に「W&CM」。
このボストークの「W&CM」名義は複数のモデルが出ており、海外のマニアもこのW&CMシリーズについていろいろ考察していたりする。




今もアンテナ張ってボストーク情報は集めている。
歴史の生き証人のようなボストークは既に経営破綻して経営権が変わったり、ボストーク・ヨーロッパという別資本のブランド展開があったりいろいろだが、基本的に自分がコレクションするのは1991年前後にリリースされたものだけだ。