この記事を書いてる時刻は午前1時過ぎである。
僕は今市川うららFMでラジオをやらせてもらっているが、ラジオについては思い出深い記憶がある。
今から30年近く前、僕は上海の日本料理店でアルバイトをしていた。
レジ精算が終わり帰る頃には夜の12時をまわっていた。そこから住んでいた大学の留学生寮に自転車で帰るのだが、その時必ずラジオを聴いていた。
上海の深夜ラジオは、とてもしっとりとしていて、低い声の男性DJがリスナーからの電話による恋愛相談にボソボソと答える具合で淡々と進み、それがとても自分の中で刺さっていた。
もちろん勉強していたとはいえ100パーセント中国語を理解していた訳ではないのだが、湿度が高くほぼ無人の深夜の湿った上海の街でそんなラジオを聞きながら帰るのがたまらなく好きだった。
当時の川の匂いや、生ゴミの臭いが忘れられない。
その時の印象が強く、ラジオはいまだにローテンションの放送が好きだ。
まるで独り言のようにぶつぶつ言ってるラジオにグッとくる。
ラジオは湿度だと思う。
そんな湿度にリスナーは感動を覚えながら、心を震わせるのだ。