シン・ウルトラマンを観て来た。
とても期待して行ったのだが、あっさりとそれを上回る傑作となっていた。
劇中与えられる情報量の緩急バランスも抜群の中、庵野脚本に染まる泥臭い人間達の世界に巨大な禍威獣(怪獣)が暴れ宇宙人が暗躍し、その中でウルトラマンがまるでひとつの概念のように存在する。
今回シン・ウルトラマンが多くの人の心を掴んだ理由のひとつは明確だ。
それは、諸々なかった事にしなかった点だ。
当時(1966年)の製作過程で生み出されたナチュラルに粗い部分をそのまま現代解釈に置き換えてみせた。
「なかった」事にせず、愛を込めリスペクトしている側面を多く感じた。
むしろその粗さが最重要と言わんばかりに、過去の引き算ではなく足し算で構築されているのだ。
傷があるならば隠さず見せるスタイルだ。
傷があるならば隠さず見せるスタイルだ。
シン・ウルトラマンはディテールを現代に置き換えてはいるが、決して2022年の新しいウルトラマンを作りたいのではなく、1966年のウルトラマンを“今”制作しただけなのだ。
そして無機質に見えるウルトラマンは人間以上にココロを宿した生命で、本来のココロを忘れつつある人類に対するアンチテーゼにもなっていた。
そして無機質に見えるウルトラマンは人間以上にココロを宿した生命で、本来のココロを忘れつつある人類に対するアンチテーゼにもなっていた。
この作品は可能ならば劇場に足を運んで観てもらいたいと強く感じる。
それほど素晴らしい出来上がりになっている。
ちなみにパンフレットは完売だった。しょんぼり。