『麻雀放浪記2020』国会議員試写会が開催
阿佐田哲也氏のベストセラー小説を35年ぶりに再映画化した『麻雀放浪記2020』の国会議員試写会が1月31日、衆議院第一議員会館で行われた。同試写会には、主演の斎藤工と監督を努めた白石和彌が出席。試写会後には、環境副大臣内閣府副大臣・秋元司さんと自民党遊説局長・牧島かれんさんが同作品の感想を口にした。
斎藤工「問題作だと自負しています」
スポーツとして健全で安全な麻雀を推進する連盟"スポーツ麻雀議連"によって実現した同試写会。斎藤は、演技で工夫した点について質問されると「取り立て、このために何をしたというわけではない。和田誠監督版が名作なので、そのままリメイクすることはなく、新しい麻雀放浪記になったと思います」とコメント。
ショッキングな内容になっているのではと尋ねられると白石監督は「そういう可能性はゼロではなくて、国会議員のみなさんにもこういうふうに考えていますよと観てもらいたい」と話した。
また、同作に込めたメッセージについて斎藤は「台本が作られている中で、Jアラートが頻繁に鳴っていたり、まさかが起こるかもしれないという情勢だったその時に作られたものだったので、そういう意味では作品に刻まれていると思う」と説明。
白石監督は「コメディーとシリアスは表裏一体。そこはぶれずに作りたかった。笑ってるんだけど笑えない事態もあるかもしれない。日本はそういうスレスレな部分を描く社会風刺の作品が少ないので、議員の先生だけではなく、どういうふうに受け止められるか楽しみ」と笑みを浮かべた。
健全な麻雀を推進する同議連だが、一方で劇中で賭け麻雀に興じる演出がされていることについて斎藤は「変にメッセージをおくというかは、一つの娯楽作品である。社会風刺、ブラックユーモアの歴史もあって、映画表現自体は健全だと思うので、映画館じゃなきゃ見れない作品の濃度をこの時代にしらしめたい」と説いた。
白石監督は「健全に麻雀が進んでいくのは大賛成。その力にもなりたい。こういうことが昔あったっていう歴史を見て、健全の方がいいよねっていう受け止め方はそれぞれ」と語った。
また、同作を試写した直後には、秋元議員と牧島議員が、報道陣の取材に参加。少し未来の麻雀を描く同作について牧島議員は「利便性もある中で、私達人間がどういう風に扱うかも示唆されていた。IT戦略を進めてきた一人として、マイナンバーカードの活用などを誤解しないようにしていただきたい。エンターテイメントですので、いろいろな作品があるなと思いました」と感想を話した。
秋元議員は「勝負の世界、いかに平等が大事だと改めて知る機会になった。人間のイカサマなどをAIが学んで、人間が思う感情や技まで、学習によって一瞬で出来てしまうことに恐ろしさも感じたが、ある意味頼もしさも感じた」と振り返った。
議員会館での異例の試写会について斎藤は「いわゆる問題作だと自負しています」と笑いを誘うと、「約50年前からスポーツ麻雀と向き合うかという描写もあったりしますので、麻雀の歴史を辿れる作品になっていると思います」と解説。
秋元議員は「エンターテイメントはある事象は人間の心に落としやすくする。しかしあくまでエンターテイメントですので、麻雀も含めてAIもいろんなことに感心を持ってほしい」と、同作への狙いも話した。
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発信地・日本
<文・デザート編集部>
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