約1年半ほど前から「PITCH LEVELラボ」というメルマガとライブ配信を組み合わせた発信を行っています。
https://mall.ismedia.jp/index.php?dispatch=products.view&product_id=9866
その中の企画で、選手や監督と対談をさせていただいています。そこではサッカーの「原則」について話を展開しています。
例えば、大島僚太選手にゲームメイクの原則を、遠藤航選手に守備の原則を、土居聖真選手に崩しの原則を、高木琢也監督にチーム作りの原則を、というように。(全てアーカイブで見られます)
しかし、コロナの影響で、一切のサッカーが止まってしまい、ライブ配信も対談も難しい状況となってしまいました。そこで、今月は趣向を変えて、オンラインで鼎談を行い、それを配信する形を取らせていただくことにしました。
第一弾は「天才を言語化する」です。
ゲストに2人の天才をお呼びしました。
モトさん(本山雅志)とタク(野沢拓也)です。
私が出会った数多くの選手たちの中でも、「天才」という言葉が最も似合う2人です。努力家はたくさんいましたし、頭のいい選手にもたくさん出会いました。ボール扱いのうまい選手たちもたくさん。
しかし、この2人ほどの天才には出会ったことがありません。
彼らは天才でありながら、かつ、「サッカーがうまい」選手たちでした。
単に「ドリブラー」や「パサー」「テクニシャン」という表現の中に収まる選手ではなく、チームを勝たせることができました。
日本には珍しいと思うのです。
なぜ彼らは"天才"に終わらず、"サッカーがうまい"選手になれたのか。
出だしでタクが言い放った「何も考えてない」という言葉に焦りながら、諦めなくて良かった。(笑)
僕なりに彼らの深層心理をえぐり、話を掘り下げていくことで、たくさんのヒントが見つかりました。
彼らの言葉に耳を傾けるにあたり、2つのポイントがあると思います。
1つは、天才の頭の内を知ることができること。
彼らは、特にタクは、本当に何も考えていなかったそうです。
しかし、では何を見て、どのようにプレーしていたのか。
私たち凡人が理論的に語ろうとするのがアホらしく感じるほど、天才は天才で、しかしシンプルな思考をしていました。
是非、あの頃を知るサポーターの方々や天才たる所以を知りたい方々には見ていただきたいです。
もう1つは、では彼らのようなトップレベルの天才たちに、指導者としてどのような声がけをするべきなのか、という視点です。
彼らのような天才は「あーしろ、こーしろ」は通用しません。
「〜に立て」では彼らは窮屈に感じて、気持ち良くプレーできず、その発想をフルに生かすことができなくなります。
「ボールを受けろ」というような雑な指示では、ボールを受けることが目的と化し、チームの機能性を高める選手にはなり得ません。
では、彼らのような選手に、どのような言葉をかけてあげれば、ボール扱いがうまいだけでなく、サッカーがうまい選手にしてあげられるのか。
今回、私も「やはり現象というのは結果である。だから、選手には判断基準を伝えてあげる。」という私なりの指導の原則を確認することができました。
是非、指導者の方々にも見ていただきたいです。
長くなりました。
とにかく、是非この動画を見ていただきたいです。
天才の言葉をどこまで引き出せるのか、不安で仕方がなかった鼎談でしたが、自信作です。
サッカーを見るのも、プレーするのも、指導するのも、より面白くなりますよ。