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本を読む、ということは。

小説を読む、ということは。

人によっては抵抗のある方法であったり

一方で読み物が手放せない人もいたり

受け止め方や解釈が違って当然で。


それでも一定以上の価値を持つ

そんな物語もあると思います。


私は『家庭教室』という

伊東歌詞太郎さんが初めて世に出した

小説が、きっとたくさんの人にとって

意味を持つものであると考え、

その理由を十個、なるべく簡潔にまとめ

挙げたいと思い立ち、ここに記します。


どうかこの本が一人でも多くの

人の元へと届きますように。


***
以下の文章は、決定的なネタバレは含みませんが、あらすじ以上の内容を匂わせる表現があります。

これから家庭教室を読む予定で、前情報なく読みたい、という方にはおすすめしませんので、ご承知の上お読みください。
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1.誰もが送る学校生活
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現代日本で、学校に全く通わずに大人になる人は、そう多くないのではないでしょうか。どのような形であれ、学生生活を経て、社会に出る人が大半なのではないかと思います。
あなたは大学生の主人公の視点から、家庭教師として訪れた家の子供たちを通して、
今現在学生である自分、もしくはかつて学生という時間を経験した自分を、新たな視点から見つめ直すことができるでしょう。


2.さまざまな知識、処世術
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この話は東京に住む大学生、灰原巧(はいはらたくみ)が主人公のお話です。
オムニバス形式の毎章1話完結のストーリーの集まりなのですが、東京についての知見を皮切りに、あらゆる種類の知識に触れていきます。
きっと何かしら新しく興味深い情報が、あなたにもたらされることでしょう。

また、この主人公と、彼の教える子供たちの前に立ちふさがる壁。ぶち当たった問題の形を読み取って、乗り越えていく処世術。
あなたの人生の助けになるヒントが、ここにあるかも知れません。


3.美味しそうな料理
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毎話毎話、美味しい食事を供するお店が登場します。
美味しそうな料理を美味しそうに食べて紹介する描写が上手いので、自分も食べに行きたくなってしまうかも知れません。
豊かな食事をイメージすることは、それだけであなたの心を豊かに、いい方向に向かせることでしょう。


4.それぞれの家庭の在り方
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全く同じ家庭の同じ立場を経験する人など、一人もいません。この小説にも、それぞれの話で別の、違ったタイプの家庭が登場します。そうであれば、出てくる問題も自ずと異なってきます。
あなたはどんな風に人生を過ごしてきたでしょうか。どんな環境で生まれ育ったでしょうか。過去、現在、未来の自分が過ごす家庭という場所に、思いを馳せて考えるきっかけになるでしょう。


5.命とは、生とは、死とは
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この話は、頭でっかちな空想や、人間関係の上っ面だけ描いたお話ではありません。生きた経験に基づいた、現実世界の問題と地続きになった物語です。
そうなれば、どうしても直面する問題があります。
大人になる前の多感な時期にも、大人になった後も、否応なく訪れることです。
生きるとは何か、死とは何か。あなたはこの小説を読んで、考えずにはいられないでしょう。


6.散りばめられたメッセージ
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主人公の視点から語られる、灰原巧が感じたこと、考えたこと。中には、作者の思いや考え方が透けて見えるような文章があり、そこがこの小説の面白みのひとつでもあります。
作者がひとつひとつの短編の中に込めたたくさんのメッセージを、あなたはひとつひとつ拾い集めながら、物語の世界を歩くことができるでしょう。


7.青春の過ごし方
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あなたが青春の真っただ中にあるか、既に過去のものとしているかは、わかりません。どちらであっても、この話を読んで、青春というものに思いを馳せることでしょう。
まだ青春の日々を過ごそうという人は、これからの青春をどう消費し満喫するかを改めて考え。青春の日々を過ぎ去ったものと考える人は、その輝かしさと爽やかさを懐かしむことでしょう。


8.親しみやすい主人公
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作者を多分に投影したであろう主人公について、作者のことを全く知らなかったとしても、全く問題なく読める作品となっています。
プロローグから始まる、丹念に行われる主人公の人物描写を通して、あなたは主人公の人間像を親しみをもって受け入れていけるはずです。
主人公が理路整然として冷静沈着に思考を進める反面、情熱をもって人に接する姿から、相反するようで矛盾しない人間らしさを、あなたは垣間見ることでしょう。


9.最後まで読んだ時の読後感
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それぞれの短編のお話について、同じような内容の話はなく、読後感もそれぞれ異なります。
読み進めるごとに、伝えたいメッセージがどんどん人間の在り方、人生の核心に迫ったものになっていきます。
エピローグの最後の文章まであなたが読み切った時、きっとこの小説を気に入ってくれると信じています。


10.傷ついた心を支え救う物語
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この小説の良さは、文体の滑らかさ、話の展開の持っていき方、丁寧に言葉を尽くして想像を掻き立てる描写力にも、もちろん担われるところが大きいです。
しかし、一番評価されるべきは、ストーリー自体の「良さ」なのです。
今まで一度でも、ままならぬ物事、乗り越え難い分厚く堅い壁に、心を痛めたことのある人は、必ずこの物語の「良さ」がわかるはずです。


以上になります。


すこしでも『家庭教室』という本を、

読みたいと思わせるような説明が

できていたら、嬉しいです。


いま辛い思いをする人の支えとなり、

かつて辛い思いをした人の救いとなり、

この本は、きっとあなたの人生を豊かにしてくれると思います。


これからも私の人生を支えてくれる

そんな大切な本のひとつです。


ぜひ、騙されたと思って読んでみてください。

どうか、よろしくお願いします。