「一般社団法人ニューワールドアワーズスポーツ救命協会を立ち上げで間もなく3年になる。ただ、協会として取り組んでいるAEDの啓発活動は2010年から始めていて、そのきっかけとなったのは身近な仲間の死だった。闘魂三銃士で同期の橋本真也選手、同世代でライバル団体のNOAHの三沢光晴社長。橋本選手は病気で、三沢社長はリングの上で亡くなられて、まだ若い二人の急逝は自分の中で大きなショックだった。
その出来事があって、自分としては、プロレス業界が一体になって危機管理体制を整えるべきと訴えたけど、まとまることはなかった。だったら個人で動いてみようと、他のスポーツ選手と一緒に、東京消防庁に連絡を入れて普通救命講習を受けたのが、NWHスポーツ救命協会の原点と言えるかな。
救命講習を受けたのには2つの目的があった。一つは、自分なりに何か社会貢献ができないかと。プロレス界の先輩が行ってきたさまざまな社会貢献活動を間近で見てきたので、今度は自分の背中で後輩にそうしたことを伝えていければと。もう一つは、スポーツ選手が団体、組織を離れ一個人になった時、どのような社会貢献ができるのかと。
講習後、東京消防庁の方から「救急救命の受講推進やAEDの普及などの啓発活動に協力してくれないですか」と言われて、広報支援の客寄せパンダとして協力を始めてみたら、実はAEDだけでなく、消防団についてもいろいろと知ることになった。東日本大震災では、自衛隊、警察、消防の人たちの支援活動は報道でよく目にしたけど、表に出てこない活動をしていたのが消防団。団員がどういう状況で消防団に携わっているのかというと、仕事を持ちながら、地元のためにボランティア精神で訓練、活動をしている。
東日本大震災の時も多くの消防団の方が尽力して、また命を落とされる方も多かった。地域の人たちの避難意識が低く、避難所に来ていない人を呼びかけにいって津波に流されたりして…東日本大震災では250人近くが亡くなられている。ただ、一度の多くの人が亡くなったために、消防団への遺族に支払われる保険金が資金不足で半額に満たなかったという話を、日本消防協会の方から聞いたときには心苦しかった。
いまは、そういう地域を支える存在に、少しでも光を当てたいという思いで、消防団の応援も行っています。消防の方々は謙虚な体質で、あまり自己主張をされないですからね。また現在は、AED救急救命だけでなく、地域防災の広報支援も行っています。防災の在り方は沿岸部、内陸部、山間部、都市部等、地域によって違ってくる。平成25年には「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が成立していて、地域防災の要になるのは地域のことを把握している消防団になります。そこで6月に都内で、NWHスポーツ救命協会の取り組みの「AED救急救命」「地域防災」を主とした、初の自主イベントを行います。詳細は追って発表しますが、皆さん是非ご参加ください」
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