月別アーカイブ / 2016年10月

おはようございます、スタジオ地図です。

昨日、10月30日に『バケモノの子』の上映と
細田守監督&松嶋雅人先生(東京国立博物館 学芸研究部列品管理課 平常展調整室長)とのスペシャルトークがありました。

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細田監督と松嶋先生は金沢美術工芸大学の同級生で、
『時をかける少女』の劇中で描かれた「アノニマス展-逸名の名画-」展を企画監修したのは松嶋先生でした。

そんな松嶋先生が「日本絵画史からみた細田守作品」をテーマに、
細田監督の作品に見られる、日本絵画との共通点を紹介します。

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まずは絵巻物は動く絵を表して物語を作っていることから、絵コンテであるという考えを話し、
人体の中に影を使わないのは浮世絵と共通すると、歌川国芳の浮世絵を例に出します。
「浮世絵は人物の中に影を表さず、背景をきっちりと実在があるように描いている。
それは人物をキャラクター化しているんです。
日本の人たちには特定の役割を2次化してシンプルにする方が感情移入しやすいんです」

そして異界での活動は人物の輪郭線の色を変えていることに触れ、
「視覚的に世界が変わっったという記号。
日本絵画では伝統的に仏や神々の輪郭線は朱色で描かれる。
これは神々しい敬うべき対象として記号なんです」と解説しました。
ほかにも、動きの表現、スピード感についても国芳との共通を指摘し、
映画のトークショーというよりは学会のような講義が終了しました。

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 松嶋先生、どうもありがとうございました!

そして本日の上映はこちらです。

10月31日(月)11:50〜(本編98分)
時をかける少女
 
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TOHOシネマズ 六本木ヒルズ SCREEN8
※上映のみ 

お時間ある方はぜひいらしてください!

おはようございます、スタジオ地図です。

昨日、10月29日に『時をかける少女』の上映と堤大介監督とのスペシャルトークがありました。
まずは『時をかける少女』の上映後、細田守監督と氷川竜介先生とのトークショー。

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公開から10年という時を経ている『時かけ』を、当時会場で見た人?と問い、
客席から手が上がると、感動する細田監督。
「ありがとう。10年ぶりに再会したような気持ちです」と感謝の気持ちを述べました。

「作品の中や公開当時だけで完結するわけではなく、
その後も映画は見てくださった方々によって大きくしてもらえるんだと感じました」

この作品で海外の映画祭に行ったことで、初めての体験があったという。
「お客さんが『この映画は後悔についての映画なのでは?』と言ってくれて。
人生の問題は万国共通なんだ、それは海外のお客さんに教えられたんです」

他には作品に桃が登場する理由、高校生を描いたときの下調べについてなど
質疑応答にもしっかりと答えて、トークショーは終了しました。

氷川先生、連日トークショーに参加してくださり、ありがとうございます。

そして『ダム・キーパー』『ムーム』の映画監督・堤大介さんをお迎えしてのスペシャルトーク。
まずは『ムーム』の上映があり、続けて『ダム・キーパー』が上映。
その後、氷川竜介先生を交えて、トークショーがスタートしました。

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2人の出会いのきっかけは、ピクサー在籍時代の堤監督が
ピクサーで『おおかみこどもの雨と雪』を上映しようと細田監督を呼んだことでした。

堤監督は細田監督の純粋な気持ちに感動したという。
「細田監督は自分だけじゃなくて、みんなでもっと新しい映画を作っていこうと言ったんです」

日本を除いて、現在のアニメーション作品はCGでつくられることがほとんど。
細田監督はそれをもったいないし、つまらないと話します。
「手描きのアニメーションのほうがもっと表現の豊かさを感じられる。
だから『ダム・キーパー』を観ると嬉しくなるんです」
堤監督も同意見で「ルックにはこだわらない。話によって表現を変えていいと思っています」

その後も堤監督がピクサーをやめた理由、新作の長編映画について、
ピクサーが教える映画づくりで大事なこと、光の演出、客観性のバランスについてなど
いくら時間があっても足りないぐらいの充実のトーク内容でした。

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トークショーが終わった後、細田監督と堤監督が映画祭の事務局を訪ねました!
お2人ともそれぞれ、トートバッグにサインを描きました。

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 細田監督は熊徹と雪!

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堤監督はブタさんとムーム!

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壁にもサインしました。

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最後はボランティアスタッフと記念撮影!

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堤監督、本当にありがとうございました!!
トンコハウスの新作もとても楽しみにしています。

そして本日、10月30日は『バケモノの子』の上映です!
 
10月30日(日)10:40〜(本編119分)
バケモノの子
 
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TOHOシネマズ 六本木ヒルズ SCREEN2
※上映後にトークショーあり
登壇ゲスト(予定)
細田守(監督)、松嶋雅人(東京国立博物館 学芸研究部列品管理課 平常展調整室長)

細田監督が登壇するトークショーは、これで最後になります。
みなさま、どうぞご来場ください。よろしくお願いいたします。

おはようございます、スタジオ地図です。

昨日、10月28日に『サマーウォーズ』と「プロフェッショナル 仕事の流儀」の上映がありました。

まずは『サマーウォーズ』の上映後、細田守監督と氷川竜介先生とのトークショーです。
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氷川先生によると、日本で初めてiPhoneを画面に出したアニメーション映画だという。
「そのときの時代の一番新しいものを積極的に取り入れている。
あえて時代を感じさせないようにする方法もあるんですけど、
ケータイの機種みたいなものも含めて、公開された時代を引き受けよう、と思っています」

そのほか、『サマーウォーズ』というタイトルについての話があったり、
質疑応答ではキャラクターデザインの話、脚本家に求めることなど、
30分とは思えないほど充実の内容でした。

そして「プロフェッショナル 仕事の流儀」の上映後、
海外のプレス・プログラマーとトークがありました。

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トーマス・ナム氏(韓国/アジア・ファンタスティック・フィルム・ネットワーク マネージング・ディレクター)
マリオン・クロムファス氏(ドイツ/ニッポン・コネクション映画祭フェスティバル・ディレクター)
イブ・モンマイヨール氏(フランスで活動する映画評論家)
そしてこちらのトークショーにも氷川先生が参加してくださいました。

海外の映画祭に呼ばれてから、海外の観客を意識するようになり、
自分の作品づくりにとって大きな経験だっと話す、細田監督。

「アジア、ヨーロッパ、アメリカの3つがそれぞれ違うような気がします。
韓国の中での受け止められ方は日本とよく似ていて、すごく情緒的にとらえてくださる。
ヨーロッパは芸術としてとらえているんだと、観客の意見で感じました。
アメリカはもっとアクションをとおして、映画を楽しむというか、
一種の喜ばせ方の度合いが高いほど喜ぶ、評価してくれる。
アメリカとヨーロッパはそこがすごく違うところだと思いました」

他の国との共同制作の話や、海外の映画祭で刺激を受けることなど、トークは盛り上がりました!

「国際交流がどのように芸術的に良いことをもたらすか、
そして芸術的なことだけじゃなくて相互理解が芸術をとおして行われることによって、
より人生が豊かになったり、国同士の理解が進んだり、いいことがあると期待しています。
このような国際交流がより行われる世の中であってほしいです」
 
トーマスさん、マリオンさん、イブさん、氷川先生、
そしてご来場いただいた皆さま、ありがとうございました!

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そして本日、10月29日は2本のプログラムがあります!

10月29日(土)10:20〜(本編98分)
時をかける少女
 
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TOHOシネマズ 六本木ヒルズ SCREEN2
※上映後にトークショーあり
登壇ゲスト(予定)
細田守(監督)、氷川竜介(本特集プログラミング・アドバイザー/アニメ特撮研究家)

10月29日(土)16:00〜
細田守監督×堤大介監督
スペシャルトーク&『ダム・キーパー』『ムーム』上映
 
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六本木アカデミーヒルズ タワーホール

細田守監督と堤大介監督のスペシャルトークは生中継があります。
※作品は配信されません。

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ぜひみてくださいね。

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