季節をひと巡りする頃に魔法は解けた、
長い長い夢から醒めて、ごくごく飲んだ水は
甘くもなく辛くもなく、日々の味がした
魔法を解いたその人は、やさしい光を放ち
「暗闇で何も見えない」と
ぽつり呟き、静かに泣いた
『あなたも魔法にかかっているのですね』
それを解く術を知らない、私は
深く項垂れるしかなかったが
「この世界の何処かに光の人がいます」
そう言って見上げた瞬間、その瞳から
一粒の光が零れ落ちた
真っ直ぐに前を見つめ、その人は行く
辺りには光り輝く人びとが彷徨う
そして、日々は、続く


『ひかりの人』