夜中に座った席は
目の前が浮浪者のお婆ちゃんだった
どおりで席が空いてたわけだ

年寄りを軽蔑するわけではなく
人種差別をするつもりもない
きっといい人なのかも知れない

ただただ、クサい

もうそれだけで

顔を遠ざけるわ
嫌な顔するわ
その場に (その方が) いることを認めたくなくなるわで
まわりの人間の態度が急変する

染みついた紙袋を持ってようが
無駄に衣服をたくさん来てようが
浅黒い肌をしてようが

きっと気にならないのかも知れない

ただただ、クサい

臭いだけでそこまで不快になる

常々、人に届けることや伝えることを考えているのだが、人の奥底に飛び込むのは「ニオイ」が一番いいな

そんなことを考えながら席を立った