生後2、3日のカルガモヒナです。
カルガモは特に珍しい種類ではなく、池や
川、時には海岸でもみかける鳥です。
この時期、ヒナを連れ歩くシーンばかり
が放送されますが、この時期でなくても
身近にいつでも見れます。
カルガモはお母さんだけが、育児を
します。
皆さんが知る、たくさんのヒナを連れて
歩く姿、無事に水辺についてよかったねー、
の放送で終わることが多いですが、
ヒナたちの試練はここからが本番です。
この時期、近くの河川などに様子を見に
行きますが、水辺にたどり着いた翌日
ヒナの数は既に半分とか、1週間を迎える
前には2、3羽しかいない、というのがほ
とんどです。
見晴らしのよい川では、上からは猛禽や
カラス、下から何でも食べる外来種から
も狙われます。
当会にも 毎年のようにカルガモのヒナ
が来ますが、家禽と同じく、卵から孵った
時から羽が生え、自分の足で歩き、2日
後には自分で、ごはんを探して食べます。
スズメやツバメのように親がごはんを
与えるわけではありません。
それを知ってか知らずか、ヒナを持っ
で来る方からたまに言われるのが、
「自分でごはんを食べて来れるからヒヨコ
と同じで楽ですね」と言われます。
…が、実はこの系のヒナたちは、インプリン
ディング、刷り込みと呼ばれる、孵化して
初めて見た動くものを追いかける習性が
あります。
過去に私が孵卵器から孵化させたアヒル
が、しばらくずーって後をついてきたように
見失えば、鳴き続けます。
親がいなければ、ごはんも食べません。
個体差はありますが、しばらくは夜も一緒
に寝ることになります。
アヒルの場合は、家禽下され野生のカモに
比べたら、追従の本能が薄い子もいます。
野生のカモについては、追従する対象=
親を見失うことは、生きていけないことを
意味します。
そのためか、保護されたカモ類のヒナは
ケガをしているわけでも衰弱しているわけ
でもないのに亡くなってしまうことがあり
ます。
親とはぐれたストレスから、生きる気力を
失くす、という感じでしょうか。
どんなヒナが来ても 油断すれば亡くなり
ますが、カモのヒナが来ると しばらくは
徹夜になります。
毛布に包めて一緒に寝たり、こちら側は
恐ろしくて寝れないため、徹夜になる。
個体差はありますが、今回の子は
フワフワなカモ系ヌイグルミで、代用し
てます。