予約した動物の病院へ向かうために 
駅前の通りを小走りしていたところ、
信号につかまり いつもは通らない
路地に入った。
 陽の当たらない薄暗い路地にある
ゴミ容器(店舗裏口にある)の横に
見慣れた流線形の影があった。
ぼろ雑巾みたいに そこに置かれた
ようだった。
もう 亡くなってるだろう、と思って
いた鳩は 冷たく固まってるけど
かすかに息をしていた。

これから 病院だと言うのに
出会ってしまったからには 仕方がない。
いつものことだから、病院はキャンセルし
て タクシーで急いで逆戻りだ。

病院に行ける子たちと
路地裏のゴミの中で 静かに終わる命と
未だに 答えはみつからないまま
考えだすと きりがないことばかりが
頭に浮かんでしまう
施設はいま いっぱいいっぱいだけど

来年は 新たなチャレンジとして
飛べない鳩たちのシェルターを作りたい
と考えている
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