男は大学病院の広い待合室の一番後ろに座っていた。

深いシワと、痩せこけた痩身
左手に杖を持っていた。薄暗い感じの黄色のサングラスが、男の目を解らなくしている。

古ぼけた紺のスーツと黒の革靴、膝の上に黒いカバンを持っていた。

診察終わりの人達が、長い列を作り、会計処理をやつている。太った外国人が列に並ぶと、男はその外国人の後ろにならんた。

ほんの一分くらいで、男は列から外れて表に出て行った。

その外国人は、会計が終わると駐車場に向かって歩いて行く。今時珍しい青ナンバーのキャディラックに外国人が乗り込んで、エンジンをかけたとたんに車は跡形もなく消えてしまった。