与謝野晶子『みだれ髪』読了(以下五首連作)
若き日は過ぎゆきました美しくあさき夢見る少女の頃は


らいてうと晶子と我は同じだと思ふをとめの時は過ぎにき


魂が血汐の色に染まるまで股の奥から血を流しゐる


をみなとはをみなとは何ぞと叫びゐる書架のとなりで膝を抱へる


をとことはか弱くそして筋肉のしなやかな獣 (じゅう) 、らしいと聞くが





唇が燃えてゐるわと思へどもそれの名前は、単に、くちづけ


新月の夜の夢路ではつ恋の人と別れて笑つてゐたの


たとふれば、紅葉、だわ、さう。紅葉だわ。あなたに触れずに枯れてしまつて


自転車を漕いでゆきたいたとふればGoogle検索に似た冷たさで





『宇治の橋姫』
橋姫はなに思ふらむ玉の緒の長き夜陰にたつた独りで


『牡丹灯籠』
彼の人を祟り殺さぬ愛し方などを問ひ来るお露の霊が


『Guerlain / ゲラン - Mitsouko / ミツコ』
曽祖母の涙の中に夕焼けの昭和五年の町があります