月別アーカイブ / 2012年09月

 
長野県上田市に『無言館』という美術館があります。
第二次世界大戦で戦没した画学生の慰霊のために設立された所で、私は一昨年の夏に、一度だけそこを訪れたことがあります。

緑の多い坂道を上がっていくと展示館が二軒建っており、中へ入ると、戦場で散った年若い画学生たちの絵画をはじめとした作品や愛用品、家族に宛てた手紙などが数多く展示されていました。
ドーム状の天井一面に貼られた画学生たちの絵を見上げて、声を上げる人はほとんどいません。
それは私も同じで、汗を拭くために持っていたハンドタオルを握り締めたまま、身を硬くしてそれらを見つめることが精一杯でした。
私はあの場に適した言葉を、今でもまだ探し切れていません。

それから数年後、偶然読んだ短歌関連の書籍に『無言館』を詠んだ歌が掲載されていました。
それ故でしょうか、今年の暑い夏の午後に、不意に『無言館』の歌が次々に降ってきて、慌てて近くにあった紙切れに走り書きをしました。
私自身が感じたことを詠んだもの、画学生たちはこう考えていたかもしれないと思い、彼らの言葉として詠んだものが混在しています。
まだまだ形になっていないものも多くありますが、ひとまず十首です。
機会があれば、皆さんも『無言館』に行ってみてください。


>> 上田市役所 - 信州上田観光情報 無言館 <<






無言館 えがき残せしイメージがただ整然とそこにあるだけ

いくたりの人の涙を吸ひ込みて真白く光りたりや、カンバス

母さんの写真と絵筆は捨てられず 万歳、そして、散りにけるかも

妹に宛てて書きたる絵はがきのインクのかすれさえもやさしき

行軍のさなかは絵のこと芸術のことを念じる余裕もなくて

もう明日の今ごろ僕は死んでいるかもしれないよ、絵が描きたいよ

欧州の名だたる名画を見まほしと思ひつつ寝る、夜が更けゆく

ズッという音と一緒に斃れゆく友の姿はイーゼルに似て

もし生きて還れたならば何を描く? 数多の死者の思いを背負って

恐らくは笑みやはらかき人だらう 清き手紙を読みて思ひき





ご無沙汰しておりました、綾部でございます。
最近、一日があっと言う間です。
気付けば九月下旬ですねえ。
夏の間は少しの間田舎(というほどでもないけれども)におりまして、
そこでだいぶぼんやりぼんやりしていたような気がします。

さて、そんな綾部ですが、秋以降のお知らせが目白押しでして、
ここでまとめてお知らせさせていただこうと思います。

まずは、連載のお知らせです。
9月29日発売の『ボカロPlus vol.7(徳間書店)』に「こしかた萌え草子」というタイトルのエッセイを連載させていただいております。
こちらは今回で2回目。
日本の文学作品(古典)の中にちりばめられている「萌え」を引き出してご紹介するものです。
初回は『源氏物語』に登場する地味っこヒロインの夕顔ちゃんをご紹介いたしました。
で、今回は『平家物語』の中から、木曾義仲と今井四郎兼平をご紹介します。

こちらは、編集のお手伝いもさせていただいております。
前号よりも更に若手のクリエイターさんたちを掘り下げた内容になっていると思います。
是非お手に取ってご覧ください。

ボカロPlus [大型本]






次は、CDに関するお知らせです。
11月21日に発売されます、杵家七三社中の皆様によるボカロ曲の全曲和楽器演奏アレンジCD、『和楽花道中(わがくはなどうちゅう)(avex)』に収録されます『いろは唄』と『紅一葉』の歌詞の文語訳を担当させていただきました。
歌唱は、もちろん佳館杏ノ助でございます。
CD音源は全9曲、DVD映像は全4曲の予定で、その内、文語調の歌詞アレンジの曲は、
『和楽・千本櫻』と『いろは唄』、『紅一葉』の3曲のみになります。

歌唱は、杏ノ助の他には『和楽・百年夜行』を鈴華ゆう子さん、『和楽・ダンシング☆サムライ』をぽこたさん、『和楽・般若心経ポップ』を蝉丸Pさんが担当されます。

現在、ニコニコ動画に『PVのPV』がアップされておりますので(笑)
どうぞご覧くださいませー!市場がカツラばっかりww





『和楽花道中〜杵家七三社中傑作選 ボカロ曲を演奏して頂いた〜(HQCD+Blu-ray Disc)』






その他、怪談方面に関するお知らせなどもあるのですが、こちらはまだ詳細が出ておりませんので、詳細が分かりましたらお知らせさせていただきます。

↑このページのトップへ