気付けばもう六月も中旬……!
と、言うことで、順にブログを更新していきます。
先月は、平家琵琶の演奏家・鈴木まどかさん(前田流平家詞曲相伝)主催の演奏会にお邪魔してきました。

あれ?ふゆちん、前も「琵琶」って言ってなかったっけ?
しかも、その時は「薩摩」って言ってなかったっけ?
と、思われたそこのアナタ!鋭い!
そうなんです。「琵琶」という楽器にも、実は幾つか種類があるのですね。
現在、大河ドラマ「清盛」で、時折「ッベベーン!」とか、「……ジャカジャーン……」と、
激しくかき鳴らされているのは「薩摩琵琶」というタイプの琵琶です。

一方、今回ご紹介する「平家琵琶」は、余り音色を聴く機会がありませんね。
現在は、大河ドラマのタイアップとして、全国の博物館で『平家物語』や平氏にまつわる企画を行っており、その際に、平家琵琶の演奏会が行われることが多いようです。
実際に、鈴木さんも、それらの演奏会で演奏されています。

平家琵琶は、鎌倉時代初期に成立したと言われている楽器で、
それよりももっと古い時代に成立していた「楽琵琶(雅楽を奏でる際に使用する琵琶)」と同じ構造をしているものだそうです。
薩摩琵琶に比べて、平家琵琶の音は本当にシンプル。
波がざざーっと広がるような、力強い余韻を持っているのが薩摩琵琶だとしたら、
湖面に美しい波紋が広がるような余韻を持っているのが、平家琵琶だと思います。

先程「ドラマの効果音に~」と書きましたが、薩摩琵琶も平家琵琶も、本来は琵琶を弾きながら演奏者が物語を語るということはご存知でしたか?
平家琵琶は、「平家」と名前がつくことからも分かるように、『平家物語』を語るための琵琶とされています。
この伝承文化のことを「平家詞曲(へいけしきょく)」または「平曲(へいきょく)」などと呼ぶそうです。

琵琶の歴史や構造、音色、平曲についてのことは、
鈴木まどかさん主催の「平曲研究所」が非常に詳しいです。
このブログを書くに辺り、参考にさせて頂きました。
ご興味を持たれましたらぜひぜひ!

>> 平家詞曲研究室 <<






演奏会では、今回語られる『平家物語』の段(句と言うべきでしょうか)を、
プロジェクターを用いて分かりやすく解説して下さる時間から始まり、
解説が一段落ついたところで、静かに語りに入っていきます。

今回は、以仁王の挙兵後の様子を描いた「宇治川の戦い」とも呼ばれる「橋合戦」や、平氏の軍勢が水鳥の羽音に怖がって逃げ出してしまったというエピソードで有名な「富士川」などを演奏されました。

静かに、まさに粛々と語られる内容は、激しい合戦の場面であったり、月夜の美しい晩のことであったり、切羽詰まった武将同士の駆け引きであったりするのですが、語り手は過度な感情移入をしません。
淡々とその時の事を伝えていく語りは、私にはとても清らかなものに聴こえ、自分用のメモにガリガリと書き込みつつも、平曲がもたらす時間や空間を掌握する力を感じていました。

当時の風俗や登場人物の関係性も知ることができて、とても濃密な時間を過ごすことができました。


最後に、演奏家の鈴木さんと、鈴木さんのパートナー、
平家琵琶の白鷺さんのお写真を掲載します。
鈴木さん、掲載にあたって、ご快諾ありがとうございました!


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鈴木さんの演奏会情報などが掲載されているブログにも是非足をお運びくださいませ~。
>> 平曲研究所 <<