月別アーカイブ / 2016年12月

ボイストレーナーとして活動させていただく中で、こうして発信する場を与えられた自分が、
その本業であるボイストレーナーとしての仕事を妊娠•出産のためお休みする期間。


この場で何が出来るだろうかと考えた時、
やはり今の自分が持っているものを発信し続けていくことなのではないかと思いました。



現在妊娠33週。

9ヶ月になります。


この年末年始のお休みを境に、産休•育休に入ることとなりました。


レッスン納めは12/27。

午後に数件の打ち合わせを残して、28日午前中に出血。

年内、というか、休み前のすべてのレッスンを終え、フッと力の抜けた朝でした。


前回の記事にも書いた通り、
この1ヶ月ほどはなんとかゴールに喰らいつくマラソンランナーのような思いでした。

11月の肺炎での入院、
12月に訪れた祖父との別れ、
ゆとりを持って向き合うつもりの年末の仕事のすべてが余裕のないものに変わりました。

当然、たくさんの方々にご迷惑をおかけしてしまい、
特に生徒さんたちには不安な思いをさせたことと思います。


そんな、たくさんの方々の協力と理解の中でなんとか迎えた最終日でもありました。


当然の出血は、鮮血。

無知な私にもなんとなくそれが危険な状況であることがわかり、
すぐにかかりつけの産婦人科へ。

産婦人科も年内最終日、予約でいっぱいのなか3時間近く待ちようやく受診、
いつも朗らかな医師の声のトーンが低い。


「ここでは入院ができないから、大きな病院を紹介しますね」と。


詳しい方針はそちらで、というような感じで、
紹介先の病院を探してもらうこと1時間。

6軒目でやっと診てもらえるところが見つかったとのことでした。

夫も駆け付けてくれ、そのまま紹介先の大学病院へ。


エコーと内診でじっくり診てもらい、
NST(ノンストレステスト)という胎児の脈やお腹の張りを数十分後かけて測る検査もしてもらいました。

具体的な話になりますが、
子宮口も開いていないし、子宮頸管の長さもあり、大きな問題はないとのこと。

今すぐ生まれる、という危機的状況ではなく、
ただ、出血が胎盤付近からのものであり、
また出血があり、もし胎盤が剥がれてしまうと、胎盤早期剥離という緊急帝王切開を免れない状況、つまり早産になるそうです。


もしそうなっても胎児がきちんと肺呼吸できるようにするために、ステロイドを打ちました。
(ステロイドを打つと、肺の成長を促す効果があるそうです。)

急な帝王切開の手術に備えて、心電図検査、レントゲン検査も受けました。


あらゆる同意書にサインをし、
私たちはいきなり切迫早産の可能性を突きつけられました。


数件の打ち合わせを残したまま、私はそのまま入院しMFICUで経過観察することになりました。


せめてレッスンをすべてやり終えたあとでよかった、、なんて考えていた私は、
母親としての自覚がまだまだ足りないのかも知れません。


28日は、長い1日となりました。



翌29日は、夫の誕生日でもありました。

仕事を終え、面会時間ギリギリに、自分でケーキを買って来させてしまいました。

申し訳なさが募り、年末年始を病院で過ごすことへの淋しさや心細さ、
そしてお腹の子供への想いで溢れました。


本当なら、今日高松に共に帰省し、
ホッと一息ついているところでした。


二本のステロイドを打ち、
朝晩の心音確認とモニターチェック(NST)、
お腹の張りが頻繁にあり、今朝は医師がエコーと内診で確認してくれましたが、大きな問題はないとのこと。


あれから出血はありません。

そして赤ちゃんはとても元気な様子です。


念のため、という意味合いが大きいのだと思いますが、
本当に何があるかわからないのが切迫早産だそうです。

このままここで生まれてしまったら、まだ1700gしかない赤ちゃんは早産。

里帰り出産予定だった私は実家に戻れず、
母や義母の助けを借りなければいけません。


どうにか落ち着いて、年明けに退院して高松に帰れるようにと、先生方も仰ってくれています。


私もそう願うばかりです。


もう少し、お腹の中で大きく育って、
すべての機能をしっかり成長させてから、この世界に迎えたい。

今の医学ではじゅうぶん生きられる週数ではありますが、
少しでも健康に、安全に、と願うのは当然のことだと思います。


こうして、私はまだ東京に残り、
お腹の中の子供と向き合う時間を過ごしているというわけです。

一対一で。

この時間が、もっと必要だったのかも知れないとも思います。



仕事をして、夢を持って、目標を持って、
楽しい仲間や失いたくない空間、
そこに母親になるという眩しすぎる可能性が与えられて約半年。


どんな妊婦さん、お母さんにも、葛藤があるように、
私にも希望と不安と迷いがつきまといました。

優先順位の付け方をもっと工夫すべきだったのか、
なんて思ったりもします。

でも、
これが私にできるやり方だったとも思うのです。


たくさんの助けを借りて、理解の元で、走った結果なのだから。


きっと強い子に育っているはず。



ただやはり、世の中の妊婦さん、これから妊娠を望んでいる働く女性のみなさん、
決して無理をしないでください。


私には頼る場所がありました。


applyスタッフさんはいつもケアをしっかりとしてくれて、
私のSOSをきちんと受け止めてくれました。

applyだけでなく、agehaspringsのみなさんもonetrapの方々も、
会うたび気遣って下さり、迷惑をかけてばかりで申し訳無い気持ちをほぐしてくれていました。


マネージャーT氏には、本当にどれだけ迷惑をかけたか知れません。

それと同じだけの心配も。



私はとても恵まれていました。

大好きな仕事をギリギリまでやらせていただくことができ、幸せでした。


これからのお休みは、
ボイストレーナーとして、女性として、妊婦として、そしてゆくゆくは母として、
それぞれの魅力や迷い、そしてその両立や喜びなどを、いろいろとリンクさせて発信させていけたらと思っております。




「こんなギリギリまで歌っていていいの?」

とよく聞かれることがありますが、
腹式呼吸は自然分娩でも非常に大切な呼吸法。

もちろん無理は禁物ですが、
ある程度の腹筋があった方がお産でもしっかりといきめて良いそうです。

ボイストレーニングに欠かせないストレッチなども、特に股関節周りに意識を向けると一石二鳥。

体がほぐれていい声が通りやすくなり、お産の体力も付きます。


大きな声で歌うことは、簡単にできるストレス発散法でもあるので、
あまり運動ができなくなった妊婦さんには特に歌うことはオススメです。


私は安定期に入ってからも、低値胎盤(胎盤の位置が通常よりも低い位置にあり運動は禁止)と診断されていたので、
日常生活以上の歩行や運動が制限されていました。

なので、生徒さんたちと歌えて、
とても良い気晴らしになっていたと感じます。


「何が胎教にいい音楽とか聞かせてるんですか?」

ということもよく聞かれました。


「それはもう、レッスンで毎日!
いろんな人たちの素敵な歌や元気な歌を!」





そう思い返せば、これまで本当に素晴らしいマタニティライフでした。

あと1ヶ月半、
ここからは私自身がしっかりと、お腹の子供と共に成長していきたいと思います。



どうかこれからも、お付き合いをよろしくお願いします。


みなさま、良いお年をお迎えください。




とはいえ、、

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やはり淋しさ隠せません…(;_;)

クリスマスも終わり、すっかり年末、真冬の寒さの東京です。

クリスマスの連休は変わらずレッスンだったのですが、
友人たちと家族ぐるみでクリスマスパーティーをしたり、
夫とディナーに行ったり、
産前の自由を噛みしめることもできました(笑)

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そして、この一、二週間ほどは、
産休前のラストレッスンの生徒さんの連続でした。



「今日でしばらくお休みをいただくね」

と伝える淋しさ。

どんなにやり切ろうと思っても、
まだまだ一緒にクリアしたい課題が見つかってしまう。


それはみんなが、それだけ可能性に溢れているからに違いありません。


とはいえ、時間にも体調にも限界があり、
マラソンの最後の1キロを走るような気持ちで、
なんとか全力で駆け抜けた12月でもありました。



久保田光ちゃんは、子供にとアンパンマンのおもちゃをプレゼントしてくれました

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光ちゃんがアンパンマンを好きなことは、
彼女のボイトレノートがアンパンマンのノートだったところからよく知っています(笑)


なんでもかんでもアンパンマンで、そのギャップがまた、可愛いのです😍



そしてホリプロスカウトキャラバンのオーデション時からのお付き合いで、最終選考、グランプリ、そしてデビューの全てを見届けることができた栞菜智世ちゃんも、素敵なお花とクリームをプレゼントしてくれました⭐️

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あまりにも思い出が多すぎて、ポロポロ涙する智世ちゃんを見ていると、これまでの道のりの険しさを感じずにはいられませんでした。




2人とも、心のこもったお手紙を添えてくれて、
真っ直ぐな姿勢や謙虚さ、向上心をしっかりと持っていて、
本当に素直で頑張り屋さんだなぁと、
そして、愛に溢れる女の子だなぁと、
深く思います。


諸事情によりここではご紹介できない方がたくさんいるのですが、
こうした私の2016年の幕が、生徒さんたちによって、とっても暖かく閉じられていきました。


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みんなの顔が一人一人浮かぶ、、


生徒さんだけではなく、スタッフの方やトレーナー仲間からも、
「お疲れ様」の言葉をもらって、
そして更に「元気な赤ちゃん産んでね」と励ましていただき、
なんて幸せなんだろう、、と。



本当にたくさんの素晴らしい出会いに恵まれた、
トレーナー人生の第1章だったなぁと思うのです。


もちろん辛いことも、逃げ出したくなることも、人並みにはありました。

限界を感じたり、絶望的な気持ちになることも。


けれど、
それよりも私はこの世界がやっぱりとても好きでした。


誰かの夢が叶っていく瞬間や、
変わっていく表情や声、
出来立てホヤホヤの素敵な作品、
とにかく元気が出るみんなの笑顔。


最高の仕事です。



ライブ納めは、やはりFaint✴︎Starでした❗️

12/26渋谷WWWにて、彼女たちの企画イベントである【Tokyo Sound Collection Fes. vol2】が行われ、
そこで初披露された新曲、
そのリリース日が2017.2.15であると発表されました。


私の出産予定日も、同じく2/15です。


Faint✴︎Starが生まれる前からご一緒している私としては、
もうこれは運命としか言いようがないというか気持ちなのです…‼︎‼︎


そして2/18には2回目となるワンマンライブも行われるとのことで、
それを見届けられないことだけがすでに悔しい。。


でも、
きっとまた最高のステージを見せてくれることでしょう。


ライブ終わりに2人に会いに行ったら、
いつもと変わらず明るく「先生〜〜」と笑ってくれて、
それがまた嬉しかった。


また来週も、いつも通り普通にレッスンがあって、
それが続いていくんじゃないかって思わせてくれるような。




まだ打ち合わせなどのお仕事は残っていますが、
現場に出て生徒さんと関わるお仕事は全て終え、
あまりその実感もない中ではありますが、
フッと少しだけ力の抜けた今朝でした。



もうちょっと噛み締めて、浸っていようかな。。



先週末、年内ラストとなるプレアーティストコースの生徒さんのレコーディングディレクションを終えました。


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もちろんマネージャーT氏の強力サポートにより!


レコーディングの現場では、スタジオやレッスンでは気にならないくらい些細なポイントがより浮き彫りになります。

ピッチやリズムなどはもちろん、声の揺れや微妙なダイナミクス、
そして聴覚だけに頼った場合に必要なニュアンス。


声を聴いただけで、歌っている人がどんな表情をしているか、
そしてその人が何を想っているか、
そういう背景が滲み出るような歌を、しかも短時間で表現するのは、
やはり簡単なことではありません。


そして、だからこそ楽しい空間でもありますよね。


前回よりも良くなったポイントや、改めて感じる課題、
それが生徒さんと私で共通認識として確認し合えることも、とても嬉しいことのひとつです。


小さなブースでたったひとり、
フレーズや言葉と向き合うボーカリストのみなさんにとって、
少しでも灯りを照らせるサポーターでいられたらと思っております。


これは、レッスンでもレコーディングでもライブでも、
どの現場でも同じ。

そして、お休みの間もその願いは変わらず大切にしたいです。






本日は、急遽帰省しております。

瀬戸大橋を渡って、祖父にお別れを言いに行ってきます。


私が東京で音楽をすることを、最後まで反対し続けた人。

おじいちゃんの厳しい言葉があったからこそ、
私は簡単には諦めず、ここまでやってこられたのだと思っています。



ずっと会いたがっていたおばあちゃんには、
もう会えたかな。

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