ボイストレーナーとして活動させていただく中で、こうして発信する場を与えられた自分が、
その本業であるボイストレーナーとしての仕事を妊娠•出産のためお休みする期間。
この場で何が出来るだろうかと考えた時、
やはり今の自分が持っているものを発信し続けていくことなのではないかと思いました。
現在妊娠33週。
9ヶ月になります。
この年末年始のお休みを境に、産休•育休に入ることとなりました。
レッスン納めは12/27。
午後に数件の打ち合わせを残して、28日午前中に出血。
年内、というか、休み前のすべてのレッスンを終え、フッと力の抜けた朝でした。
前回の記事にも書いた通り、
この1ヶ月ほどはなんとかゴールに喰らいつくマラソンランナーのような思いでした。
11月の肺炎での入院、
12月に訪れた祖父との別れ、
ゆとりを持って向き合うつもりの年末の仕事のすべてが余裕のないものに変わりました。
当然、たくさんの方々にご迷惑をおかけしてしまい、
特に生徒さんたちには不安な思いをさせたことと思います。
そんな、たくさんの方々の協力と理解の中でなんとか迎えた最終日でもありました。
当然の出血は、鮮血。
無知な私にもなんとなくそれが危険な状況であることがわかり、
すぐにかかりつけの産婦人科へ。
産婦人科も年内最終日、予約でいっぱいのなか3時間近く待ちようやく受診、
いつも朗らかな医師の声のトーンが低い。
「ここでは入院ができないから、大きな病院を紹介しますね」と。
詳しい方針はそちらで、というような感じで、
紹介先の病院を探してもらうこと1時間。
6軒目でやっと診てもらえるところが見つかったとのことでした。
夫も駆け付けてくれ、そのまま紹介先の大学病院へ。
エコーと内診でじっくり診てもらい、
NST(ノンストレステスト)という胎児の脈やお腹の張りを数十分後かけて測る検査もしてもらいました。
具体的な話になりますが、
子宮口も開いていないし、子宮頸管の長さもあり、大きな問題はないとのこと。
今すぐ生まれる、という危機的状況ではなく、
ただ、出血が胎盤付近からのものであり、
また出血があり、もし胎盤が剥がれてしまうと、胎盤早期剥離という緊急帝王切開を免れない状況、つまり早産になるそうです。
もしそうなっても胎児がきちんと肺呼吸できるようにするために、ステロイドを打ちました。
(ステロイドを打つと、肺の成長を促す効果があるそうです。)
急な帝王切開の手術に備えて、心電図検査、レントゲン検査も受けました。
あらゆる同意書にサインをし、
私たちはいきなり切迫早産の可能性を突きつけられました。
数件の打ち合わせを残したまま、私はそのまま入院しMFICUで経過観察することになりました。
せめてレッスンをすべてやり終えたあとでよかった、、なんて考えていた私は、
母親としての自覚がまだまだ足りないのかも知れません。
28日は、長い1日となりました。
翌29日は、夫の誕生日でもありました。
仕事を終え、面会時間ギリギリに、自分でケーキを買って来させてしまいました。
申し訳なさが募り、年末年始を病院で過ごすことへの淋しさや心細さ、
そしてお腹の子供への想いで溢れました。
本当なら、今日高松に共に帰省し、
ホッと一息ついているところでした。
二本のステロイドを打ち、
朝晩の心音確認とモニターチェック(NST)、
お腹の張りが頻繁にあり、今朝は医師がエコーと内診で確認してくれましたが、大きな問題はないとのこと。
あれから出血はありません。
そして赤ちゃんはとても元気な様子です。
念のため、という意味合いが大きいのだと思いますが、
本当に何があるかわからないのが切迫早産だそうです。
このままここで生まれてしまったら、まだ1700gしかない赤ちゃんは早産。
里帰り出産予定だった私は実家に戻れず、
母や義母の助けを借りなければいけません。
どうにか落ち着いて、年明けに退院して高松に帰れるようにと、先生方も仰ってくれています。
私もそう願うばかりです。
もう少し、お腹の中で大きく育って、
すべての機能をしっかり成長させてから、この世界に迎えたい。
今の医学ではじゅうぶん生きられる週数ではありますが、
少しでも健康に、安全に、と願うのは当然のことだと思います。
こうして、私はまだ東京に残り、
お腹の中の子供と向き合う時間を過ごしているというわけです。
一対一で。
この時間が、もっと必要だったのかも知れないとも思います。
仕事をして、夢を持って、目標を持って、
楽しい仲間や失いたくない空間、
そこに母親になるという眩しすぎる可能性が与えられて約半年。
どんな妊婦さん、お母さんにも、葛藤があるように、
私にも希望と不安と迷いがつきまといました。
優先順位の付け方をもっと工夫すべきだったのか、
なんて思ったりもします。
でも、
これが私にできるやり方だったとも思うのです。
たくさんの助けを借りて、理解の元で、走った結果なのだから。
きっと強い子に育っているはず。
ただやはり、世の中の妊婦さん、これから妊娠を望んでいる働く女性のみなさん、
決して無理をしないでください。
私には頼る場所がありました。
applyスタッフさんはいつもケアをしっかりとしてくれて、
私のSOSをきちんと受け止めてくれました。
applyだけでなく、agehaspringsのみなさんもonetrapの方々も、
会うたび気遣って下さり、迷惑をかけてばかりで申し訳無い気持ちをほぐしてくれていました。
マネージャーT氏には、本当にどれだけ迷惑をかけたか知れません。
それと同じだけの心配も。
私はとても恵まれていました。
大好きな仕事をギリギリまでやらせていただくことができ、幸せでした。
これからのお休みは、
ボイストレーナーとして、女性として、妊婦として、そしてゆくゆくは母として、
それぞれの魅力や迷い、そしてその両立や喜びなどを、いろいろとリンクさせて発信させていけたらと思っております。
「こんなギリギリまで歌っていていいの?」
とよく聞かれることがありますが、
腹式呼吸は自然分娩でも非常に大切な呼吸法。
もちろん無理は禁物ですが、
ある程度の腹筋があった方がお産でもしっかりといきめて良いそうです。
ボイストレーニングに欠かせないストレッチなども、特に股関節周りに意識を向けると一石二鳥。
体がほぐれていい声が通りやすくなり、お産の体力も付きます。
大きな声で歌うことは、簡単にできるストレス発散法でもあるので、
あまり運動ができなくなった妊婦さんには特に歌うことはオススメです。
私は安定期に入ってからも、低値胎盤(胎盤の位置が通常よりも低い位置にあり運動は禁止)と診断されていたので、
日常生活以上の歩行や運動が制限されていました。
なので、生徒さんたちと歌えて、
とても良い気晴らしになっていたと感じます。
「何が胎教にいい音楽とか聞かせてるんですか?」
ということもよく聞かれました。
「それはもう、レッスンで毎日!
いろんな人たちの素敵な歌や元気な歌を!」
そう思い返せば、これまで本当に素晴らしいマタニティライフでした。
あと1ヶ月半、
ここからは私自身がしっかりと、お腹の子供と共に成長していきたいと思います。
どうかこれからも、お付き合いをよろしくお願いします。
みなさま、良いお年をお迎えください。
とはいえ、、
やはり淋しさ隠せません…(;_;)