こんにちは。イラストレーターの中村佑介です。2月から3月にかけて、ひばりくんフィオナとケイクキティちゃんゆきりんアジカンと手掛けたコラボ作品が5つ発表されます。それではひとつずつ詳細をご紹介してゆきますので、どうぞ最後までお付き合いください。

①『ユリイカ』 江口寿史特集 トリビュートイラスト掲載

まず1つ目は現在発売中の「ユリイカ 2016年2月号増刊~総特集/江口寿史」にトリビュートイラストが掲載されております。江口先生とは以前、イラストレーション 2014年6月号でも対談させて頂きました。

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ただし、その時はどちらかというと雑誌の特性上、"イラストレーターとして"の側面が強かったですが、代表作『すすめ!!パイレーツ』、『ストップ!!ひばりくん!』、『エイジ』、『エリカの星』などなど、江口先生の本当の顔は漫画家です。子供の頃にいくつもの作品をドキドキしながら読んでいた僕にとっても、たとえ江口先生の現在の活動の中心がイラストであっても、やはり"漫画家"というイメージがあります。今回のユリイカは、そんな漫画家としての江口先生を深く深く掘り下げた内容。NHK「BSマンガ夜話」が好きだった方は、もちろん評論家のメンツ的にも、すごく興味深い一冊となっていることでしょう。

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そしてトリビュートイラストは、編集部から「何か1作品をテーマに」と言われたので、一応、「ストップ!!ひばりくん!」を中心に置いたものの、「エイジ」も「パイレーツ」も江口先生ご自身の過去と現在までもを、クレープのようにグルッと包んだような1枚に仕上げました。ぜひ元作品と一緒にご賞味頂ければ幸いです。


②『アドベンチャー・タイム』ファンブックにトリビュートイラスト&コメント掲載

2つ目は、こちらも現在発売中のアニメ『アドベンチャー・タイム』の初のファンブックに、1ファンとしてイラストとコメントを寄稿させて頂きました。

「アドベンチャー・タイム」開始当初は、かわいらしい多種多様なキャラクターや設定から、パッと見は「アンパンマン」の海外版風なのかなと傍から予想していたのですが、実際に見てみると、その真逆と言っても良いほど、毒っ気、シニカルさ、シビアさ、そして美学が詰め込まれた大人向けの内容でもあり、すっかりハマってDVDを集めてしまいました。さくらももこさんの「コジコジ」が好きな方なんかは、ドンズバで好きだと思います。

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また、他のアニメでは見られないような繊細な色使いで、その点もとても勉強になります。そして何より、日本のアニメや漫画、ゲーム文化への愛が、すごく詰まっているんですよね。その辺りは誌面上でもご紹介させて頂いております。そしてイラストの方も、その中でも、元ネタは言うまでもないほど、世代の方はニンマリが止まらないこの回の主人公である、フィオナとケイクというキャラクターを選んで描きました。
 
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おまけのジェイクトートバッグもすごく可愛いので、ファンの方もこれからの方も、書店へとこの冒険の書を探しに行ってみて下さい。


③2/29 スピリッツ『柏木由紀×中村佑介 グラビアート第4弾』掲載
3つ目は、来週月曜日(2/29)発売の週刊「スピリッツ」第14号の表紙&巻頭カラーで、柏木由紀さんとの4度目のグラビアートが掲載されます。

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※この告知画像に掲載されているのは表紙ではありません。

"グラビアート"というのはグラビア+アートの造語で、端的に言うと、絵を写真で再現するという試み。これまでスピリッツ連載中の漫画家さん達も手掛けてきた企画です。僕の場合、これまでは1度目が"かわいさ"、2度目が"不思議さ"、3度目が"セクシーさ"、そんな様々な柏木さんの側面を、より引き出せるよう心掛けてきました。

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そして4度目の今作は"かっこよさ"を。そして柏木さんは最近、AKB48とNGT48を兼任されているので、そこにプラス"新潟"をテーマに表紙は描き下ろし、それをこれまたいつも素晴らしいバランス感覚で魅せて下さる写真家の四方あゆみさんに再現して頂きました。

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そして中には文字のかかっていない全貌や他の作品もたくさん。偶然、大学のクラスメイトである漫画家・石黒正数氏の名前も。同窓会状態ですね。

さらに同日には、これまでのグラビアートシリーズをまとめたムックも発売。 
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僕と柏木さんのは、今回の表紙の別カットと、これまでの全3回作品が10ページ20作品に渡り掲載されています。「これまでの知らなかった~」という方はこちらもぜひチェックしてみて下さい。


④3/3 MOE4月号 山口裕子×中村佑介 対談+キティちゃんトリビュート作品掲載

そして4つ目は、あのキティちゃんのデザイナー・山口裕子さんとの対談が、3/3(木)発売の月刊「MOE」4月号に掲載されます。
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対談のテーマは、今や世界で通用する言葉でもある日本文化「カワイイ」について。やはりそこにサンリオ、そして代表キャラクターのキティちゃんは外せませんよね。

僕はずっと気になっていたのは、「"キティ"はどうやって"キティちゃん"になり得たのか?」ということ。

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どんな流行でも、一過性のものなら、なんら不思議はないのですが、これだけ長く続く人気には、必ず秘訣というものがあると思っていました。しかも絵として見れば、キティちゃんを構成する線は太く、極限までシンプルに減らされています。そしてサンリオの中でもとりわけいつも無表情。いわば標識マークのように、「無機質」になりかねない存在です。それなのに、みんなこれが「かわいい」と思う。つまり「綺麗な絵(線)」ではなく、「かわいい生き物」だと感じています。だから「キティの絵」ではなく「キティちゃん」と愛称で呼ぶ。信号やトイレのマークを見ても、誰も「かわいい人」とは思わないことからも、これってよく考えたら、とても不思議なことなんですよね。

そこで注目したのがキティちゃんのトレードマークである大きなリボン。
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このリボンは、耳にそって斜めについているので、意識的にならないとなかなか気付かないのですが、ここだけ切り取って、水平にしてみると…
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わかりますでしょうか。これ、左右対称ではなかったのですね。左より右の方が小さく、シワの形も微妙に違っています。つまり方眼を置いてみると、こんな感じの遠近感で描かれていたのです。

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ここからわかるのは、キティは絵という記号ではなく、立体物や生き物に近いということ。その証拠に、リボンだけでなく輪郭、両目の大きさ、鼻の形、ひげや耳の位置に至るまで、すべて左右で微妙に違っていました。実験として、キティちゃんのそれらの要素を全て、左右対称に直すとこんな感じ<図:A>。

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これだけシンプルなラインであるにも関わらず、正円がそうであるように、左右対称にした<A>は、図としては整ってはいるものの"記号感"が強く、元の左右非対称の<B>の方が、思わずなでたくなるような、かわいらしい"キャラクター感”がまさっているように感じられます。こうして山口さんが、キティちゃんを「もの」ではなく「生き物」として描かれているからこそ、みんなに愛され続けているのだと感じました。

だとするとなぜ口がないのか? 不思議ですよね。そこも含め、かたちや色に関する多くの秘密や歴史、新しいコラボにおける線引き、これからの展望、山口さんご自身のご趣味など、フルカラー7ページに渡り、絵を描いている方は必読の内容になっいると思います。そして、そこで学んだことを活かして描いた、同時掲載されている僕のキティちゃん・トリビュート作品をほんの少しだけ。

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これ以上は読んでからの「ヒ・ミ・ツ」ということで、3/3の発売を楽しみにお待ち下さい。


⑤3/16 ASIAN KUNG-FU GENERATION ニューシングル『Re:Re:』 発売

3/16(水)に発売されるASIAN KUNG-FU GENERATIONのニューシングル『Re:Re:』のCDジャケットが公開されました。

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「あれ、なんか聞いたことある曲名だぞ!?」と思った方は、もう長らく彼らを応援し続けて下さっていることでしょう。そう、これは今から12年前に発売された『ソルファ』というアルバムの人気収録曲が、この度、アニメ「僕だけがいない街」の主題歌になったため、新しいアレンジで再録音し、シングルカットしたものです。12年間に、何度も何度もライブで演奏されるたび、まるで生き物のようにアレンジが変化し続けていることからも、アジカン自身にとっても、特に思い入れの強い1曲なんだと思います。

そして「あれ、なんか見たことあるような絵だぞ!?」と思った方も、鋭い。この曲のメッセージは「戻れない時間を振り返る」というもの。そして、上記のような理由から、「もしあの時、シングルとして出ていたら?」という想定の元に、過去(右)を振り返り、アルバム「ソルファ」の女の子、それまでの一連のシングルである「サイレン」の電車、「ループ&ループ」のダルマインコ、「リライト」のホワイトタイガー、「君の街まで」のトキと、全てをドッキングさせたようなジャケットに仕上げました。
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こんな風に時系列順に並べると、より綺麗に見えるような構図、色遣い、そしてデザインに仕上がっておりますので、「最近、CDから遠ざかっていたなぁ。。。」という方も、ぜひ揃えて、ぜひお部屋の春を彩って下さい。

こればっかりは聴いてもらってからでないと、わからない要素も多々ありますので、今回はこれくらいにして、詳しいジャケットの説明やメイキングに関しては、また3/16の発売前後に、改めてここでじっくりお話させて頂きますね。そして『Re:Re:』に続き、全て新レコーディング『ソルファ』のリリースもアナウンスされておりますので、そちらも併せて楽しみにしていてください。

以上、「春のコラボ祭り」でした。なお、5つ集めても、ミッフィーのお皿はもらえませんので、ご了承ください。


追伸/僕の方も同時期に、MPホットロディマス、MPウルトラマグナス(再販)、コンボイグランドプライム、アドベンチャー・サンダーフーフと、「トランスフォーマー」の玩具が怒涛のように押し寄せてきてたいへんです。山口さんとの対談でもちょこっと溢れだしております(笑)

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