ご無沙汰しております。

本日より、
昨年2月9日に渋谷O-EASTで無料配布されたフルアルバム
「善徳-zentoku-」
の楽曲を、iTunes他にてダウンロード配信開始しました。

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詳しくはオフィシャルサイト内「Biography」からご確認下さい。

■コチラ↓
http://www.ys1126.com/biography.html




さて、
このアルバムを最初にミンナに届けてから1年。
今更ではありますが、改めてセルフライナーノーツを
ここに記載したいと思います。

今回の配信を機に初めて聴いてくれる人は勿論、
ずっと聴き込んでくれている人にも、
このタイミングで、また色々な聴き方をしてもらえると嬉しいな、と。
 
 
1.ココロノオト
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アルバムの最初を飾る曲ですが、制作は一番最後......むしろ〆切最終日に作りました(笑)
当初、今作には打ち込みっぽい曲やSEっぽい曲は入れず、
生演奏色の強い作品にしたい! と思っていたのですが、
まぁ、ぶっちゃけ言えば作業が間に合わず(笑)、
曲数的には他にも作っていたのですが、どうも今作の印象にそぐわなかったりしたので
創作最終日に、やっぱりこういう「スタート前の緊張感」みたいな曲が欲しいな、となり
(2曲目をNot Dead.にしようというのは決めていたので、その前の曲らしさを求めて)
サイズ短めで、前アルバムのSound Effectに通じるような曲調のものにして......
みたいな考えから生まれた曲です。

曲名を決める際に、「心の音」「ココロノート」「心Note」など悩みました。
※noteが、いわゆる記録とか覚え書きの意味と、音という意味のダブルミーニングゆえに。


2.Not Dead.
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「久々に(?)8ビートで攻め続ける曲を書こう!」
アルバム制作前から決めていたテーマがコレでした。
イマイチ速さが伝わらないかもですが、演奏する側は必死です。
リズムレコーディングの現場でも、
「こりゃ無理や!」
「やべぇ?!!」
みたいなことを言いながら汗かいて録音してました。
このアルバムはギターと歌はプライベートスタジオで1人で録っているのですが、
ギター録ってるときも1人で「速ぇ?」とかばかり言ってた記憶があります。

「活動休止が近付いてきているなぁ......」
という思いが作詞にもハッキリ出てしまったことを今では少し反省していますが(笑)、
『僕の君に触らないで』というのは、この期間で愛するアナタ方が
どんなワケのわからん連中や音楽にちょっかい出されるんだろうか、、、
移り気な奴が多いからな?、なんか腹立ってきたな......
みたいな疑念が書かせた痛烈な言葉でして、今もコレに怯えています(笑)
言わなきゃ伝わっていないかとは思いますが。


3.脈
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アルバムより、かなり前から先行デモ試聴をしていた曲です。
「オルタナティヴ」の前後、どうしてもマニアックな楽曲になるクセがあり、
「浸色」や、この「脈」あたりで、それを払拭したというか1歩進んだ感じがありました。
勿論、どっちがいいとか悪いとか、そういう話ではなく、
「キャリア相応のマニアックなものを書いていないといけない」
という脅迫感のようなものを勝手に感じてしまっていたので。
そういう意味で、この曲は非常に音楽的には幼稚というか真っすぐなものなので、
バンドメンバーも安心してくれていました(笑)

デモの際の歌詞と違うものになりましたが、前のバージョンも嫌いではなかったです。
ただ、アルバム制作を進めていく中で、どんどん気持ちが変化していき、
「脈」というタイトルに込めるべきものが変わったことから書き直しました。


4.カスタマイズ
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この曲は、アルバムに収録するかどうか悩みました。
東日本大震災の翌日から開催される予定だったGIGS「エンドレスセブン」
本数を絞っての開催となり、その中で初めて披露することになった曲なのですが、
正直なところ、当時この曲は好きになれずにいたし、
デモの時から「なんだかイマイチだな......」と思っていたのです。
(現にデモも、ものすごく適当な作りで放置されています)
しかし、何度か演奏しているうちに、どの部分が好きになれないのかが理解できてきて、
レコーディングに向けて打ち込みを1からやり直し、
演奏メンバーの選定からサウンドメイクまでを一新したことによって
作曲前にイメージしていたものと限りなく近いものを生むことができ、
これなら音源として披露したい、という思いに至ったわけです。

作詞当時は、メロディーが呼んでいる言葉を意味不明でもいいから並べていこうと進めたのですが、
リリースのタイミング的に少し意味深にリンクして、不思議なものを感じました。

あと、この曲だけリズムRecの際に一緒に歌を録りました。
アウトロの「ウォーウォー」みたいな部分だけ、後日に別スタジオで録ったのですが、
他の曲を3曲ほど歌ったあとに1発でアドリブで録ったため、
探り探り歌ってる感じが出てて面白いです。


5.Make a play on words.
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某アーティスト様に提供するつもりで書いたけれどボツになった曲です(笑)
単純にデモがあまりにも適当なものだったのが悪いのかもしれませんが、
自分的には「絶対にカッコ良くなるのに!」と思ったので、
タイミングも良かったので自分で歌うことにしたという感じです。

歌詞遊びをするに当たって、
「こういうのは得意なんで、すぐ書けるっしょ」
と思ったのに、後半でメチャクチャ苦戦した記憶もあります。

「カスタマイズ」のAメロ後半で、リズムがハネるのですが、
元は、歌だけハネさせようとしていたけれどイマイチだったので全体でシャッフルさせていたり、
後に収録されている曲「フラクタル」の最後のサビでも同じように実際に歌だけをハネさせてるのですが、
こちらは改めて聴くとベタで行ったほうがカッコ良かったかな? と感じていたり......
けれど、この曲のAメロは、歌だけのハネが上手くできていて気に入ってます。
あと、サウンドも気に入ってます。
他の曲目より、ドラムとギターの歪み方がベタっとしていて、
自分的には「ディペンデンス」ぐらいでしかやってきていない作り方で珍しいため。


6.モノクロのMESSIAH
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こちらも先行デモ配信をしましたが、デモと全然違うものになりました。
ソロ以外のギターを自分で弾いていなかったり、
ハモりをデザイナーがしていたり(笑)、かなり型破りな構成で面白いです。

「モノクロのメシア」という言葉は、
仮歌の際に適当にメロディに合ってるからつけただけなんですが、
あまりにもメロディに対する響きが気に入ってしまったので本採用しました。
けれど、ぶっちゃけ言葉の意味はよくわからない......となりまして、
他部分を作詞していく際に、非常に苦戦しました。
ノートに色々とストーリーや、ワケのわからん登場人物などを描きまして、
そのキャラ達に行動してもらったイメージを歌詞にしていくという
少し不思議な作りから生まれた歌詞だったりします。


7.神ノミゾ知ル魔法「れっぴるす」
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ファズギターでイントロのフレーズを弾くのが結構難しかったです。

この曲は、かなりイカレた経緯で作られまして......
先に「スリッパを物販したい! いや、するぞ!」と決めまして、
それをミンナが手にはめてパンパン叩く姿見たさから作曲をしたという......(笑)

スタッフは、もっとアップテンポの曲でくると予想していたようですが、
自分的には、折角のスリッパを叩く異様な光景(笑)を作ることになるのだし
怪しめ(?)の曲調とミディアムテンポでいくべきだと考え、
スリッパ作成決定の会議の翌日には曲を完成させておりました。

気付いている方も多いとは思いますが、
「れっぴるす」という言葉は、
「slipper(スリッパ)」のスペルを逆さまにした「reppils」から取りました。
シャドウゲイトのレナニゼカやプーロみたいなもんです(わからんか)。


8.彼女の唄
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2012年8月26日に星になった愛猫「あんこ」のことを想い書いた曲/詞です。

当時のブログに、このことに関しては色々と書きましたが、
別れの当日、新幹線で大阪に向かうも、その瞬間に立ち会えなかった自分が
その冷たくなった頬を、せめて少しでも暖かくしてあげたいと思い、
そっと手を添えたことを今でも思い出します。

猫にとって百合の花というのは毒性のあるものなので、
歌詞の中ででも、その言葉を使うことに躊躇いがありましたが、
彼女の横に百合が添えられた光景が目に焼き付いて離れないのです。

動物と暮らしたことのある人は、同じように感じる人が多いと思いますが、
「我が家でよかったね」という思いと共に
「我が家にきてくれてありがとう」があり、
更に、個人的に今回は「この人と巡り会えてよかったね」という風に
「母」と「あんこ」の関係性を非常に尊いものだと感じました。

ちなみに、この曲では一切ギターを弾いていません。
このアルバムで唯一、むしろ今までの音源作品で唯一、歌だけの曲です。


9.フラクタル
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このアルバムのリード曲ということになるのかな?

上記にもあったような「マニアックな曲を書こうとしてしまう」というサイクルから
思いっきり抜け出した、と感じられた1曲です。

聴くだけでは伝わりにくいことですが、
初めて自分で自分の歌とギターを録音した曲です。
それまではエンジニアに録ってもらっていたのですが、
今作の歌とギターを自分で録るというコンセプトに繋がるキッカケになりました。

フラクタルという言葉の意味は非常に奥が深く、
正直なところ、簡単には理解できない(漠然とはわかっても)。
けれど、その理解しきれない感じこそが自分にとっての「フラクタルの意味」であって、
その感じが非常に人間同士の関係性と似ているな、なんて思ったり。
そんなこともあって、終盤の歌詞が非常に気に入っています。



「フラクタル」は、自分を第三者的に俯瞰で見ることで作詞していますが、
それが難しかったのと同じで、
こうやって自分の作品を少ない文字数で語るのは、やはり難しいですね。

少しでも楽曲が、ミンナにとってイイ意味で深まってくれていると嬉しいです。

初めての方も、そうでない方も、
是非、楽しんで聴いてください。



杉本 善徳