【人物】

ダ・ヴィンチ・恐山(品田遊) twitter

 作家/会社員。
 作家 兼「株式会社バーグハンバーグバーグ」社員。どっちを兼業扱いにするかは、そのとき優勢な人間関係への気配りで変わる。

藤原浩一 twitter
 ライター。
 読み物サイト「デイリーポータルZ」のライター。同人頒布イベント「コミティア」で免罪符を販売した実績を持つ。




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[写真] 藤原浩一さん


ダ・ヴィンチ・恐山(以下、恐山):
藤原さんは、キリスト教については詳しいですか?

藤原浩一(以下、藤原):

いえ、詳しくないですね……。

恐山:
私もです。

藤原:
大学で授業は受けたことがあります。

恐山:
どんな授業だったんですか?

藤原:
聖書の中の特にいいエピソードを選り抜いて説明する内容でした。ほとんど忘れてしまいましたが。

恐山:
『よりぬきサザエさん』みたいな感じなんでしょうか。『よりぬきキリストさん』……?

藤原:
覚えているのは、姦淫の罪で石を投げられている女をキリストが守るエピソードです。

恐山:
ああ、「あなた方の中で、罪を犯したことのない者だけが石を投げなさい」とキリストが言って場を収めたという、あれですね。

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あれ


藤原:
それを聞いて思ったのは「民衆の聞き分けが良すぎる」ということです。

恐山:
確かにそうですよね。2000年も前の時代に、知らない奴の一言で暴動が収まるなんてことがあるんですかね……?

藤原:
ネットの「スカッとする話」みたいですよね……。


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スカッとする話


恐山:
他には聖書で印象に残っているシーンはありますか?

藤原:
夜、キリストが弟子のペテロに「お前は朝までに3回、わたしのことなど知らないと言うだろう」と予告するシーンですね……。実際にそのあとペテロは尋問を受けて、3回「知らない」って言っちゃうんですけど、キリスト、意地悪いなあと思って……。

恐山:
「わかってるけど、それでも許すよ」ってことなのかもしれないですけどね……。美術館とかふだん行きますか?

藤原:
ぜんぜん行かないですね……。

恐山:
私もあまり行かないんですが、たまにボッティチェリ展とか見に行っても、知識がなくてあんまりよくわからないんですよ。「絵、うまいなあ」って、デスノート読んでる時と同じ感想しか出てこなくて。

藤原:
はい。

恐山:
それもそのはず、なんか宗教画って、そもそも勉強しないと意味不明にできてるらしいんですよ。

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シュテファン・ロッホナー『薔薇垣の聖母』(1448年頃)


恐山:
たとえばこの絵が、聖母マリアと赤ちゃんのキリストの絵なのも、知識がないとわからないじゃないですか。

藤原:

そうですよね……。

恐山:
あと、宗教画にはアトリビュートっていうのがあって、なにげなく描いてあるものが聖書のイメージを象徴していたりするんですよ。たとえば、このマリアの足元の植物がイチゴの葉っぱらしくて。イチゴ→赤い→血→キリストの死を象徴しているそうなんです。

藤原:
随分……飛んでますね……。

恐山:
知ってなきゃ全然わからないですよね……。

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ロッサーノ福音書に描かれた最後の晩餐(6世紀の絵)

恐山:

これ、有名な『最後の晩餐』の絵なんですけど。キリストが処刑される前の晩に、12人の弟子と食事してるシーンですね。

藤原:
あ、下手ですね……。

恐山:

6世紀なので……。よく見るとみんな寝そべって食事してるんですよね。

藤原:
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵だと椅子に座ってましたよね。

恐山:
キリストの時代にはまだ椅子にちゃんと座る習慣がなかったんだそうで。食器もなくて手づかみだとか。あと、最後にキリストを裏切ったユダですけど……。

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恐山:
コイツなんじゃないかと言われてるそうです。

藤原:
ごはんに夢中。

恐山:
聖書だとこの時点では「この中にわたしたちを裏切る者がいる」的な感じで、ユダが裏切るとはまだ明言されてないんですが……。

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カスターニョ「最後の晩餐」(1447年)


恐山:
この絵だと、ユダだけ反対側のテーブルにいますからね。

藤原:
露骨ですね。

恐山:
この状況で「誰かが裏切る」って言ってたとしたらひどすぎますよね。「え~? だれだれ~?(チラチラ)」ってみんな反対側のユダ見るっていう。

藤原:
この頃の絵だと、みんなちゃんと椅子に座ってますね。食器もちゃんとしてる。

恐山:
その時代が反映されてるので、だからこれは嘘なんですよね。

藤原:
嘘。


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レオナルド・ダ・ヴィンチ『イエスの洗礼』(1470年頃)


恐山:

藤原さんはもうすぐ30歳ですよね。イエスも30歳くらいで神からのメッセージを受信したらしいんですよ。

藤原:
はい。

恐山:
もしかしたら、これから藤原さんも神からなんらかのメッセージを受けて、1000年後くらいには藤原さんの絵が聖人として描かれてるかもしれないですね。

藤原:
ああ……。ありえなくはない……。

恐山:
『フジワラの洗礼』が。

藤原:
はい。

恐山:
イエスはざくろを持っている絵がけっこうあって、ざくろは「受難」を示すアイテムだそうです。藤原さんにもアイテムがあてがわれるとしたら、何になると思いますか?

藤原:
自分に深く関係するものということですよね。なんだろう……。

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藤原:
「溜まったレシート」ですね……。

恐山:
なるほど……。もし絵画にレシートの束が描かれていたら、それは聖フジワラの存在を匂わせていると……。

藤原:
そういうことになりますね。



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おおむねこのような雰囲気で、6/18(土)13:00~ トークイベント『宗教画と聞いてサイゼの壁を思い出す人たちの集い』が開催されます。もっとちゃんとした知識に裏打ちされたトークも聴けるはず!
今回の記事に怒りが湧いてこなかった人はぜひお越しください。

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宗教画と聞いてサイゼの壁を思い出す人たちの集い 」  

OPEN 12:30 / START 13:00

前売¥1,800 / 当日¥2,000(税込・要1オーダー500円以上) 
※前売券は5/31(火)正午12時よりe+にて発売!

宗教画と聞いてサイゼの壁を思い出す人たちの集い

【出演】品田遊(ダ・ヴィンチ・恐山) 
【Guest】架神恭介(作家・漫画原作者)、原宿(オモコロ編集長)、 藤原浩一(デイリーポータルZライター)


実施予定の内容
・いまさら聞けないキリスト教の疑問
・聖書名場面ベスト10
・聖書になぞらえてなにかやりたい
・免罪符の可能性を探る
・マリア様の、イエスの持ち方


対談のふたりに加え、架神恭介さんとオモコロ編集長・原宿さんも登壇予定!!


●架神恭介

仁義なきキリスト教史
架神恭介
筑摩書房
2014-03-14




 作家/漫画原作者
 『仁義なきキリスト教史』『「バカダークファンタジー」としての聖書入門』など、キリスト教に関しての著書多数。


●原宿

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バーグハンバーグバーグ社員/読み物サイト「オモコロ」編集長。
年をとって、だんだん甘いモノを体が受け付けなくなってきている。





よろしくお願いします。