このあとで『メルカリ』など適法性が微妙なフリマアプリにも波及していく問題の前哨戦として、そろそろソーシャルゲーム業界の社会問題化前夜という状況でして、月刊『Wedge』にてカジノ研究家の木曽崇さんとこの問題について対談した記事が掲載されました。

wedge 2016年3月号
http://wedge.ismedia.jp/category/wedge/

 問題自体はとてもゴツい感じはしますが、既存の法律がビジネスの現状に追いついていないのは毎度のことなので、消費者が「だまされた」「やらなけりゃ良かった」と思うものは大概において後付けで何らか規制されることになるよ、という問題と捉えていただいてそう間違いではないかと思うわけです。

 その後も、フジテレビ系ネット放送ホウドウキョク『真夜中のニャーゴ』や、読売新聞でも続報が出て、さらには大臣記者会見でも業界で解決するよう促す緩い回答が出るなど、相応の話の進みにはなっていっているように思うので、早ければ夏前にも何らか業界が一致してガイドラインが出て遵守される状況になれば何となく解決、という運びもあるのかなと感じるところです。

【山本一郎】ソシャゲのガチャで,本当にヤバい問題はどこなのか
グラブル課金に苦情殺到…「希少キャラ出ない」
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160218-OYT1T50057.html
ソーシャルゲームのガチャ規制論の推移と今後の動きについて
本日の一部報道につきまして
ガチャ苦情、消費者相「対応の必要あれば動く」
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160219-OYT1T50047.html

 話の本丸が動き始めたことで、ようやく業界団体でも動きが出始めて… と言いたいところなんですが、今回問題のトリガーを引いたサイゲームスだけの問題ではないのは当然として、業界団体もゲーム業界横断のCESA、オンラインゲーム業界のJOGA、モバイルコンテンツ系のMCF、新産業系網羅の新経済連盟と、いろいろ並立した上で業界カバー率が低いという謎の状態になっていてややこしそうです。

 その間にも、当局側は着々と調査を進めていってあるべき状態についての議論が始まっていくわけで、願いとしては「議論を着手したけど業界内でまとまりがつけられなくて、タイムオーバー」ということだけは避けて欲しいと思うわけであります。

 ゲーム業界のよき先例としてCERO(コンピュータエンターテインメントレーティング機構)なんてのもあります。
 ソーシャルゲーム業界のガイドラインを立ち上げる上で、このCERO方式が良いのかどうかは議論が分かれます。ただ、ぶっちゃけ0.005%とかそういうレートでガチャをゲーマーに回させておいて、その確率が表示されないとか、第三者がどのくらいそのカードが供出されたのか分からないとか、そのような低率で回しているガチャがさも高確率で当たるかのように広告表示するとかはすべて問題だという基本線はちゃんと押さえておくべきだと思うんですよね。

海外版と日本版ではどうして表現や内容が違うのか。今,あえてCEROに聞く「レーティング制度」の現状について
http://www.4gamer.net/games/999/G999903/20140129081/
 
 もちろん、ソーシャルゲーム業界からすると「そんな利用規約に合意したユーザーが話が違うと騒いできても、何もできませんよ」というスタンスでしょうが、一部のプラットフォーム規約にある「いかなる条件、事情でも返金しない」という利用規約や契約そのものが消費者契約法違反であり強行法規の観点から無効になる可能性もありますし、ユーザーの側からの供出確率の情報開示請求も無視し続けると23条照会の対象となって消費者金融のグレーゾーン金利返金祭りみたいな事例になりかねないので、やはり事業者として、倫理的に正しい姿勢を貫いて欲しいと思います。

 なお、これらの事件で水面下で文句をお寄せいただいた事業者2社については、言い分も分からないでもないけどいままで充分儲けたでしょう、そろそろ同じやり方でビジネスを続けていくわけにもいかなくなったときに、潮時、退き時ってのもあるんじゃないですか、とお伝えしておきました。私の真意がちゃんとつたわっているといいのですが、どうも当初は「あれ(年始のガチャ問題)は山本一郎が個人的に騒いでいるだけ」と周囲に仰っていたようで、そういうアンテナの低いことを言っているから京都で経営者がイベント登壇のタイミングで公正取引委員会に踏み込まれることも察知できないのではないかと愚考する次第です。

 今後ともよろしくお願い申し上げます。