山田伊純 公式ブログ

伝統芸能である能楽の役者として舞台に立つ。能楽金剛流シテ方。6歳にて初舞台。18歳で初主役。宗家のもと5年間住み込み修業を終え独立を果たす。また、各地方で能楽のワークショップ活動も行う。現在、東京と京都にて能楽のお稽古教室を持つ。平成元年生まれ。同志社大学卒業。

庭(instagram)

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加茂を舞い終えて…

この記事が初めての方は
一番下にリンクをまとめております。
お読みください。

能楽師としての課題が
まだまだ 沢山あることは
当然なのですが

何より
初番目物の難しさを実感

「加茂」前シテの里女 /山田伊純

舞う前まで
神様の能の雰囲気に
飲み込まれやしないかと
縮こまりておりました

実際に舞台に立ちてみると
神様の雰囲気を作るのは
主役である私
シテの責任が本当に大きく
力のない己を知る

舞台が何事もなく終えられた

他の役者様方々に誠に感謝である

写真が届きましたので
ご覧になられていない方の為に
公開いたします


【加茂 写真】
 潤星会
 国立能楽堂
 平成二十八年 六月十二日

一、前シテ/里女  山田伊純(やまだいすみ)

能面は増女(ぞうおんな)という
天女や女官などの
品格の高い女性に用いる顔を使用

真の解説〉
水を結び神に手向ける姿
つまりは
神様にお祈りをしているところです

うつろふ影はありながら
濁りなくも水むすぶの
神の心汲もうよ
神の御心汲もうよ

二、前ツレ/里女  宇高徳成(うだかのりしげ)

能面は小面(こおもて)という
若い女性の顔を使用

声もすゞしき夏陰や

三、後ツレ/御祖神(※1)  宇高徳成 

能面は小面だが
前ツレとは違う小面を使用

〈写真の解説〉
神職の人たちの前に現れ
袖を水に浸し涼みとり
美しい舞を舞うところ

法界無縁の衆生をだに
一子と思しみそなはる
御祖の神徳仰ぐべしやな
曇らぬ御代を守るなり

四、後シテ/別雷神(※1) 山田伊純

能面は大飛出(おおとびで)という
強い神様などを表す顔

〈写真の解説〉
神職の人たちの前に垂迹し
神威を示すところ

そもそもこれは
大城を守る君臣の道
別雷の神なり


※1 御祖神 … みおやのしん
※2 別雷神 … わけいかづちのかみ

加茂を舞うまでの記事が
全六回ございます。

来年は乱(みだれ)という
大曲に挑みます。

加茂6

先日、潤星会にて
加茂の舞台を勤め終えました。


御来場のみなさま
有難うございました

またご協力いただきました
多くの方々、そして、
ブログをご高覧のみなさま
にも感謝申し上げます。

最後の確認(instagram)

大飛出さんとご対面



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加茂の山並み御手洗の影
うつり映ろふ緑の袖を
水に浸して涼みとる



【題名説明】

神職の者たちの前に
御祖神が降臨され
御手洗川に自身の袖を浸して
涼みておられるところ

加茂の山並みの美しい景色が
御手洗川に映っているから

そこへ袖を浸すと
神の袖が美しい緑色に
染まるのである

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シテのお仕事のうち
本日の記事でご紹介するのは
〈装束出し〉と呼ばれる
能装束の準備です


内弟子修業中は殆ど全ての催しの
装束出しを、先生や先輩方と
一緒にご用意させていただきました。

これは本当にタメになりました。

おおかたの役柄が解れば、
極端な話ですが曲のことを知らずとも
大体の装束が想像致せます。
そのような事を申し上げますと
先輩に怒られてしまいますが…


だいたい、能会の前々日頃か
申し合わせ(リハーサル)前に
装束出しがございます

私の場合は
師であるお家元のところへ参り
内弟子の後輩と準備をいたします

能装束の柄や色など
細かいところは役者に合わせて
お家元が決められます


上の写真は糸針(いとはり)と呼ばれ
そのままの意です。

糸と針の塊なのですが、
この糸針は能装束の着付けに
使用いたします。

この糸は内弟子がすべて手作業で
ヨって作ります。
今回の加茂に準備されたものは
後輩の惣明君が用意してくれたもの。
有難く使用します。

能楽師の修業は
この糸針をヨるところから
始まります
完璧なヨりを求めると
これが結構難しいのです。

何千本、ヨったことか。

今回は自分でヨらずに
すべて用意して頂いたので感謝


装束出しを終え
帰宅後

能装束の下に着る
胴着(どうぎ)と呼ばれる
下着類の準備に取り掛かります

足に合わせて誂えた
専用の足袋も事前に用意して
荷物にまとめます


今回は四面とも
能面を京都の自宅から東京へ
連れて行くために
美白氏より借りた専用の鞄と
相棒のとろった君と


金剛能楽堂にて
先生と奥様にご挨拶を済ませ

荷物をまとめ
タクシーを呼び
この記事を更新し…

あとは舞台のことばかり
考えながら ぼちぼち参る


わがやの手水鉢
そして  桔梗も花をつけた
十二日  次は私の番である


これにてLINEブログでの
『加茂』の連載を終えます。
多くご高覧いただき
誠に有難うございました。

十二日、国立能楽堂で
お会いしましょう。

加茂5

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