明日はゆずの20周年ベスト「ゆずイロハ」の発売日です。

今回のベストにはたくさん一緒にレコーディングしてきた曲が入ってるし、新録のいきものがかりとコラボした「イロトリドリ」、back numberとコラボ した「サヨナラバス」のサウンドプロデュースもさせてもらいました。

僕は約10年の付き合いになりますが、ゆずほど色んなシチュエーションでレコーディングしてきたアーティストはいないです。
一緒にスタジオで曲作りすることもあれば、2人がツアー中に僕がデモを作って送ったものを聞いてもらって電話で「蔦谷くん、サビの2、3小節目のコードとハモ変えてくれないかな?」みたいに遠隔で作ってたときもある。
プリプロを重ねに重ねて、パイプオルガンをレコーディングするためにホールに一度下見に行って音を確認したこともあるし、弦を呼んでプリプロしたことも。
生で録ったものを元が良かったからと全部デモの打ち込みに戻したり、ミックスが終わってマスタリング直前にやはりやりなおそう、となって再トライしたことも何度かあります。

こういったことからもわかるように、常識にとらわれずに良いものを作るためには何にでもトライする二人です。
常に変化を恐れず前に進む二人にいつも刺激されてきた10年でした。
僕もいつも彼らに負けじと成長した姿を見せたいと思っています。
ダサい感じでは絶対に会えない二人です。

そして、あんなに優しい人たちはなかなか会ったことないですね。
北川君と岩沢君の優しさはタイプが違うんですけど、本当に心のそこから優しい人たちだと言えます。
だからこそたくさんの人たちを笑顔にして勇気付けてきたし、人間の機微を絶妙に描く歌が作れるんだと思う。

これからの10年、そして20年の変化が楽しみです。
去年のドームのように、いつだって2人は路上の頃に戻れるんだから。

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若い!!

先日、あるシンガーと共感覚の話になった。
その人は音を聞くと色や風景が見えてくるらしい。
僕はその感覚もあるんだけど、どちらかと言うと逆のパターンで、何かを見たり感じたりすると音が脳内で再生、構築される感じが多いです。
人と話していたり、人の感情だったり自分の感情からも音になるし、映画を見ていてサントラが流れているのに違う音が脳内再生されることもよくあります。
その再生される音は、基本的には自作のもので、メロディだったり和声だったり、単音だったり音程にないものもあります。 

僕のこれを共感覚というかどうかはわからないけど、それを実際に音にしたら、やはりそういう心象風景や色や映像を表現したものになるわけで、それは所謂「標題音楽」というものだと思います。
それについてはwikiでも見てもらうことにしてその対義語である「絶対音楽」的な音楽の聴き方、感じ方というのを僕は子供の頃から今でも変わらずにしています。

つまり歌詞の意味やイメージではなく、音の列び、響き、そのものが美しい音楽に子供の頃から憧れ続けてきました。
これは歌詞が大事ではないという話ではなく、僕の本質としてそういう音楽の感じ方をしてきたので、紛れもなく自分もそういう音楽に少しでも近づこうと音楽を作り続けているという話です。

そんな感覚のわかりやすい例として、僕が愛してやまない絶対音楽的瞬間を、あまり今まで挙げてこなかったものを中心に思い出せるだけいくつか挙げます。


・Tony Toni Tone  /   Wild Child
1分26秒からの、
E♭△7 | B♭△7 | Am7   Am7/D
という3小節の進行、これをスローな6/8で、このメロディとこの音の積みで聴いたときに「なんと美しい響きなのか」と、大学時代いつもピアノで弾いていた。
ちなみにさかいゆうの「ジャスミン」の大サビ部分でこの進行を引用しています。

映画のためのこの曲の最も有名なバージョンはパーシーフェイスのバージョンなんだけど、それは全然美しいと感じない。
小学生の頃、両親の持っていたレコードで凄い美しい音楽があったな、とスポティファイで探していたらやっとみつけたこのVictor Young And Hits Orchestraのバージョン。
そもそもキーもこっちの方が美しいし、2−5−1のときに入る代理コードとテンションがメロディに対して抜群に美しくて、こういう動きは僕の血肉となって様々な場面で生きている。

・J.S.バッハ / マタイ受難曲

バッハの音楽は全て素晴らしいけど、特に第1部の冒頭からコーラスへの流れ、そして混成4部が二つに別れ8部となりボーイソプラノが加わりこの世のものとは思えないような美しく荘厳な音楽。歌詞があるので標題音楽だけど、僕は言葉がわからないから意味はわからないしただただ音が美しくて中1の頃毎日聴いていた。

・Jim O’Rouke  /  Eureka
冒頭から最後まで素晴らしいけど、特に歌始まりから1分15秒まではこの世の中でも最も美しい音楽の一つだと思います。

・Al Haig Trio  /   HolyLand

枯葉的進行の曲だけど、和声、メロディ、ピアノタッチ、音色、全てが美しいと感じる曲です。

正直なところ冒頭のこのメロディ以外は僕にとってはそんなに重要じゃないのですが、子供の頃この冒頭1分強だけなんどもリピートして聴いていました。

Kanye Westの才能が爆発しているアルバムの冒頭を飾るこの曲。
凡百のプロデューサーならAlbert Jonesのネタにビートを足して、それだけで十分かっこいいものが出来たと満足するところだろう。
しかしKanyeは最高のウッドベースラインになぜこの矩形波のシンセを持ってきたのか、この異質と思えるようなシンセの組み合わせの妙があまりにも美しい。
Cashmere Catのこれも、Kanye以降なのではないかと。

Stevie Wonderにも通じるような1分23秒辺りからのサビのメロディと和声、進行、全てが完璧に美しい。

サビのへ向かうユニゾンのストリングスの緊張感たるや・・・学生の頃衝撃を受けた渡辺善太郎さんのアレンジの一つ。
このメロディにはドラムはこの音色でこのパターンが絶対的正解だし、ギターの音色もフレーズもベースも、木管のラインもミックスも全てが美しい曲。
そして間奏は日本のポップス史上に残るものだと思う。
渡辺善太郎氏によるCHARAの一連のサウンドも最高。

この曲とフランツリストの「愛の夢」は僕の中では同じカテゴリーの究極のエロソング。音楽の官能美。


ざっと思い出せるところ&今まであまり触れてきていないものを挙げました。
他にも無数にあるし、これからもきっと増えていくんだろうな。 




本文と関係ないですが、本日23日(日)は関ジャムにゆずと一緒に出演してますので、良かったらみてやってください。 

今日4月4日はSuperfly10周年ベスト"Love,Peace and Fire"のリリース日です。

出会ったのは11年前くらいだけど仕事としては愛を込めて花束をのレコーディングからだから9年半くらいの付き合いになります。

Superflyとはほんとに苦楽を共に歩んできたなと思います。

改めてこのアルバムを聴いてみると、この歌を僕はいつもレコーディングしてきたんだなと、なんて贅沢な時間だったのかと身にしみて思います。
こんな歌声が生で聴ける時代に同時に生きていて、さらに一緒に音を鳴らせるなんて最高の時間だなと思います。

しばらくお休みしてますが、きっとこの10年積み重ねてきたものをさらに超えていくような、みんなを驚かせるようなことをしてくれるでしょう。

その時が僕は楽しみだし、またSuperflyに圧倒されたいし、またSuperflyと一緒に圧倒的なものを作りたいなと企んでいる日々です。

10周年、おめでとう。 

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