実は昨日の帰り道、書店巡りをした際に八重洲ブックセンターにも寄ったんですが、とても不思議な錯覚に襲われました。
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二階に向かうエスカレーターに乗ってる最中に急に父親に「ここは日本で一番大きな本屋さんなんだ。何でもあるんだぞ」と言われた気がしたんです。

もちろん、一人でいるので父親は一緒にいませんし、正直八重洲ブックセンターが日本で最大の本屋だとは今の私には思えないんですが。
でも、ボンヤリと記憶が蘇ってくるわけです。

多分、父親に連れられて、八重洲ブックセンターに来たんだろうという記憶。
当時から本が好きだった自分にとって、遊園地のように八重洲ブックセンターが見えて楽しかった記憶。

思い込みかなと思ってスマホで八重洲ブックセンターを検索したら、Wikipediaの八重洲ブックセンターに「開店当時は日本最大の書店だった」って買いてあるんですよね。

しかも開店は1978年9月。

多分、私が小学1〜2年生の頃、おそらく私は父に連れられて八重洲ブックセンターに来たんでしょう。
正直よく覚えてませんが、その頃私は千葉県の柏市に住んでいて、良く町田市や、大阪堺市の祖父母の家に行ってましたから、多分その途中に寄ったんだと思います。

ほとんど40年近く前の記憶なので全く定かではありませんが、久しぶりに八重洲ブックセンターのエスカレーターに乗ったことで、記憶のスイッチが入ったんだと思います。


そんなわけで、私は思い出の八重洲ブックセンターで、40年前の思い出を探りながら、出たばかりの私の本を探すという不思議な探索行為をすることになりました。

でも、これが置いてないんです。
残念ながら一階の新刊コーナーにも二階のビジネス本の新刊コーナーにも。
平積みのたくさんの新刊の中には、自分の本が全く見つかりません。
マーケティングのコーナーにもないんです。

これで、置いてあったらメチャメチャ良い話になるのに、まぁ、日本橋の巨大な丸善にもなかったので、やっぱりここにも無いのかな、と。

当時の父からすると「ここは日本で一番大きな本屋さんなんだ。何でもあるんだぞ」という本屋だったのかもしれませんが、今となっては数ある本屋の一つだし。
何でもあるわけないんだよな、と、1度一階に降りて外に出て帰ろうかと思ったんです。

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でも、なんとなく外に出て、思い出に引き止められて、もう一度エスカレーターに乗り、二階を再度回ってみたら。

あったんです。

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マーケティングのコーナーばかり見ていたので見落としてたんですが、戦略のテーマのコーナーに。

しかも5冊ぐらい置かれてる他の本の横に、2冊だけこちら向けに置いてあったので、少しタイトルも影になってたので見つけにくくなってたんですが。
間違いなくありました。
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いや、ホント鳥肌が立つぐらい嬉しかったです。

そもそも自分達がマーケティング本ではなく戦略本として書いたんだから最初から戦略の棚見てれば見つけられたでしょ、という話ではありますし。
下ばかり見てたから見つけられなかったんでしょ、という話ではあるんですが。

このまま帰ってたら、「八重洲ブックセンターには何でもある」といってた父との思い出になんか傷がついてしまう気がしてしまっていたので、本当に救われました。

どなたか存じ上げませんが、八重洲ブックセンターで私達の本の入荷をして頂いた店員さん、本当にありがとうございました。
お陰様で40年前の父の記憶が私の中でウソつきにならずに済みました。

あまりに嬉しくて、ジッとそこで本棚を眺めていたり、何度もフロアーをウロウロしたり、写真を何度もとっていたのでそのフロアにいた店員さんにあきらかに不審がられてしまい、まことに申し訳ありませんでした。

本当は、その場で著者ですと話して、お礼を直接申し上げるべきだったんだと思うんですが、何かのきっかけで涙が出てしまいそうだったので、恥ずかしくて逃げるように立ち去ってしまってすいません。
決して万引きをしようとしていたわけではありませんので、ご安心いただければ幸いです。


先日、ある方から、何で徳力さんは文章書くの上手なの?昔から?と言われて、その場では深く考えずに、上手くはないですけど好きなんです、とか適当に答えてしまったんですが。

今更ながら振り返ってみると、自分は昔から本を読むのが好きでしたし、何もない暇な時にも一人で本屋にいって立ち読みしてるような子供でした。

多分そうやって本を好きになったのは親がたくさんの本を与えてくれたからなんでしょうし。
親が、八重洲ブックセンターを始め、いろんな本屋に行って本を探す楽しさを教えてくれたからなんでしょう。

自分が今でも無駄に長い文章を日々書き散らしているのは、そんな憧れの著者の人達に少しでも近づきたいからかもしれませんし。

せっかく自分の著書を持参してきて頂いた方にサインを頼まれても、どうしても失礼を承知でかたくなに固辞してしまうのは、そんな自分にとって神聖な存在の本に自分の汚い字で落書きができないからなのかもしれません。

でも、そんな子供の頃に憧れの場所だったはずの八重洲ブックセンターに、自分の本が一時的とはいえ置いてもらえるというのは、改めて実に自分は恵まれている幸せものだなと再確認する1日でした。


昔は尊敬していたはずの父を、いつの頃からか私は心の底から嫌悪するようになり、高校の頃は同じ空気を吸うことすら避けるようになってしまいました。
45になろうかという今でも、なんとなくぎこちない会話をすることしかできない存在だったりするのですが。

今の自分があるのが、改めて両親のおかげであることを再確認しつつ、自分の息子がいつか同じように思い出に浸ってくれることを祈りながら、息子と書店巡りをすることにした土曜日の電車の中で、この記事を書いてます。


息子がいつかこの記事を読んでくれるのかどうか。その時に、私と同じように感じてくれるのか、バカな親だなと思うのかは分かりませんが、またしても無駄に長い記事になってしまったので、今日のところはこの辺で長い自分語りを終わりにしたいと思います。


改めて忘れていた大事なことを思い出させてくれた八重洲ブックセンターさんに心から感謝を申し上げます。
遅ればせながら、これから少しは親孝行したいと思います。

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