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えんとつ町は煙突だらけ。
そこかしこから煙が上がり、
頭の上はモックモク。
朝から晩まで、黒い煙でモックモク。
えんとつ町に住む人は、
青い空を知りやしない。
輝く星を知りやしない。

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ある日。
夜空を駆ける配達屋さんが、
えんとつ町の煙を吸って、ゴッホゴホ。
咳き込んだ拍子に、配達中の心臓をウッカリ落としてしまいます。
さすがに視界はこの悪さ。
配達屋さんはとっくに諦め、夜空の向こうへスタコラサッサ。
ドクドクドクドク、ドックドク。
えんとつ町の片隅で、あの心臓が鳴っています。

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煙の中から降ってきた心臓は、えんとつ町のゴミ山へ。
そこで脈打つ心臓に、ゴミがあれこれくっついて、ついに生まれたゴミ人間。
とっても臭いゴミ人間。
とっても汚いゴミ人間…




絵本『えんとつ町のプペル』は、空を知らない町に生まれたゴミ人間の物語。
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ゴミ人間は、町でただ一人の《空を信じる少年》に出会い、その日から町を覆う黒い煙のその先を見ようとします。
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町の人達は「臭い、汚い!」の大合唱。
ゴミ人間を見た目だけで判断し、
噂だけで判断し、そして外にハジキます。

誰一人として、 
ゴミ人間の想いを、願いを、祈りを見ようとはしない。 
もしかすると、中には、見ようとすることをやめた人もいるかもしれない。
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そんなことを口にすると、
自分もゴミ人間や、あの少年のように、
町からハジかれる側になってしまうから。

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ゴミ人間は、その昔に諦めた自分の姿でもあり、
だから町の人は「俺も諦めたんだから、お前も諦めろよ」と攻撃してしまうのかもしれない。



『えんとつ町』は、現代社会。


夢を語れば笑われて、
行動すれば叩かれる。
「お前も諦めろよ」という言葉は、「空気を読めよ」という、まるで正しいような言葉に姿を変え、黒い煙にその先に行こうとする者を、圧倒的な数で袋叩きにする。
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学校や会社、その他すべてのコミュニティーに『えんとつ町』は存在して、
既存のルールに疑問を持ち、「こんな選択肢があってもいいんじゃないか?」と口に出し、行動する人はゴミ人間。
案の定、叩かれる。


閉塞感は強まり、じきに誰も身動きがとれなくなる。

そして、
「今も苦しいけれど、外に飛び出したらもっと苦しい目に遭う。だから、ここにいる方が、まだマシだ。外に出るのはやめておこう。そうしよう」
と、まるで奴隷のようだ。
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だけど僕らは終わっていない。


今日も目覚め、
朝食をとり、
歩き、
会話し、
違和感を覚えながらも、それでもこうして生きている。


黒い煙に飲み込まれきってはいないのだ。


理由は一つ。

その時々で、声をあげた人がいたから。
笑われようと、叩かれようと、
空を見上げ、行動を起こした人がいたから。
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その人は、黒い煙を突破し、
「こんな世界もあるんだよ」
と、僕らに選択肢を提示してくれた。
どれだけ痛かっただろうか?
どれだけ寂しかっただろうか?


そして、今、この瞬間も、
震える膝を隠し、煙を突破しようとする人がいる。
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たとえば、あなたがその人ならば、
あなたは僕らの希望で、
僕は『えんとつ町のプペル』をあなたに向けて描いた。
あなたに捧げる応援歌として。
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おこがましいかもしれないけれど、
あなたの気持ちを、僕は少しだけ分かっているつもりだ。
僕もあなたと同じような目に遭ったから。
今でも、ときどき。


「このまま放っておくと大変なことになるよ!」
あなたがどれだけ大声で叫ぼうが、
何度叫ぼうが、
いつまでたってもその声は黒い煙の中に消える。
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苦しいだろう。
寂しいだろう。
眠れない夜が続いているだろう。

だけど、そういうもんだ。
行動する以上、痛みはともなう。
あなたにはその痛みを背負う責任がある。
なぜならあなたは、
夢や理想を語るその姿で、
諦めないその姿で、
諦めた人達に「自分はこれで良いのだろうか?」という不安を与えてしまっているから。
間接的に攻撃してしまっているから。
あなたが背負う痛みは、その代償だ。



行動を起こした以上、皆が幸せになる道は一つしかない。


重力圏を突破することだ。
黒い煙のその先に行くことだ。

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無責任なことを言うけど、
もう声をあげちゃったのなら、
もう行動を起こしちゃったのなら、
僕らに見せてくれよ、素晴らしい景色を。
誰も知らない世界を。
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僕からあなたへのメッセージは、『えんとつ町のプペル』に出てくる空を信じた少年の父親の言葉そのまま。



「他の誰も見ていなくてもいい。
黒い煙のその先に、
お前が光を見たのなら、
行動しろ。思いしれ。
そして、常識に屈するな。

お前がその目で見たものが真実だ。
あの日、あの時、あの光を見た自分を信じろ。

信じぬくんだ。たとえ一人になっても」









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