地獄的な二日酔いの被害に見舞われている。
酒を呑んだのではなく、酒に呑まれたので、被害者といっても過言ではない。

そんな中、鬼軍曹たる新人マネージャーの鮎川女史から『えんとつ町のプペル 光る絵本展inイオンモール堺鉄炮町』の会場へ向かうよう命じられる。
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しかも、朝10時入りだ。 
「平日の朝10時なんぞ、人っ子一人おらんだろう。せめて入り時間を30分遅らせてくれ」と、鮎川女史にLINEを送る。
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9時31分に、このLINEを送っている時点で、10時入りするつもりなど毛頭ないのだが、そこは問答無用の鮎川女史。
ここまでケチケチ女がおったものか。

先日、電話相手にブチギレていらした姿が、めっぽう恐ろしかった鮎川女史を怒らせることは得策ではない。
しぶしぶタクシーに乗り込み、イオンモール堺鉄炮町店へ向かっている。
ちなみに現在10時20分だ。

人間に『完璧』や『効率』を求めることは非効率だと私は考える。
理由は、完璧と効率のスペシャリストたる『ロボット』に代替えされるからだ。
なので、その能力を伸ばしても未来はない。

人間に残された才能は「愛される欠陥」である。
であるならば、遅刻することが問題ではなくて、"遅刻して許されないキャラクターに仕上がっていること"が遥かに問題だ。
そんなことを考えていたら、たった今、現場スタッフから、「てめえ、いつ来るんだよっ!」とブチギレ電話がかかってきた。

どうやら遅刻はダメなのである。





公式LINEをやってます。
コメントをくださると、自動返信で喧嘩が始まるシステムを導入しました。
『キングコング西野』で検索&フォローしてください。
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前回の記事の続きです。
(※前回の記事は→コチラ)

前回の内容をおさらいすると、「より良いタレントになろうとする努力が『逆転』を最も遠ざけていた」といったところ。

誰が作ったかは知りませんが、「空気を読む」や「イタイ」という言葉は、つくづくよくできた言葉だなぁと思います。

この言葉が流行り、この言葉が正義になればなるほど、逆転は起こりにくくなります。
上に立っている人間目線で語ると、
この言葉を流行らせ、この言葉を正義にしまえば、逆転を起こしにくくすることができます。

僕が「ひな壇に出ない」と宣言した時、同業者の皆様から一斉に批判され、そこに「なるほど、西野はイタイのか!」「たしかに、皆が出ている"ひな壇"に一人だけ出ないなんてイタイよな!」「西野は、ひな壇に出ている芸人を批判している!」世間の皆様も後に続き、「空気を読めよ」の大合唱&大炎上。

あんなのを見せられてしまうと、この国で「ひな壇に出ない」という選択をとるタレントさんは減ってしまうでしょう。
勝手に『ひな壇に出ないタレント』の参入障壁が高くなっているので、僕としては大助かりです。
後々のこと(競合が増える問題)を考えると、新しいことを始める時は批判されといた方が、有利です。まぁ、微々たるものですが。

「空気を読む」「イタイ」と、同じ響きを持っているのが、テレビの世界だと「爪痕を残す」という言葉。
「あの番組で爪痕を残す」「今日は爪痕を残して帰ります」という、アレ。

こちらは、とてもポジティブな響きですし、タレントの姿勢として一つも間違っちゃいませんが、『逆転』をゴールに見据えるのなら、使わない方が賢明かと思います。

具体的に言っちゃうと、『笑っていいとも』で爪痕を残しにいけばいくほど、タモリさんにポイントが入っちゃうので。
くれぐれも言っておきますが、これは『いいとも』批判でも、タモリさん批判でもなく、"仕組み"の話です。
僕はタモリさんのことが好きです。とっても。


さて、本題。
後編は芸能界の話ではなく、"絵本作り"のお話…もっというと"作った絵本を届ける"お話を。

前編では分かりやすく『ハード』と『ソフト』という言葉を使いましたが、後編ではコチラの勝手な都合により『プラットフォーム』と『利用者』という言葉に変えさせていただきます。

んでもって、ここで『OS』なんて言葉を使って説明しちゃうと、途端に話が複雑になるので、実際の定義とは少し異なるかもしれませんが、ここからは極力簡単な言葉で、あと、もっとクダけた口調で『プラットフォーム』と『利用者』の説明させてもらうね。


ではでは。

『プラットフォーム』というのは、たとえば、TwitterとかFacebookがそうだよね。
『利用者』というのは説明するまでもないけど、TwitterやFacebookを使っている僕らのこと。
ただ、このプラットフォームの『利用者』には2通りあって、『プラットフォームを使ってモノを売る人』と『プラットフォームを使ってモノを買う人』がいる。

今、この場合(LINEブログ)だと、僕は自分の名前を売っているし、ブログ記事の最後にイベント情報などを添付して、イベントチケットを売っているので、僕が『プラットフォームを使ってモノを売る人』で、あなたが『プラットフォームを使ってモノを買う人』だ。

そして、前編で書いた『芸能界で逆転が起きない問題』同様、僕がこの場所で一生懸命売れば売るほど、皆さんが買えば買うほど、そのプラットフォーム(この場合だとLINE株式会社)にポイントが入る。
Twitterで名言を呟けば呟くほどTwitterの宣伝になり、Facebookで『いいね』の数を競えば競うほど、ザッカーバーグ先生にポイントが入る。

そんなことを知るうちに、「プラットフォームを自分の手元に置いておかなきゃいけないな」と、TVタレントならざることを考えるのが、かの大天才・西野氏だ。
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かの大変態・西野氏は「プラットフォームは状況によって移動する」と何やら天才めいたことを言いきり、
芸能界の先輩方を…果てはウォルト・ディズニーを一気にまくる方法を探り、
今からテレビに勝つ仕組み(プラットフォーム)を作っていては死ぬまでに間に合わないので、もう僕がプラットフォームになっちゃおう」と結論。
新人マネージャーから「酔っ払っているんですか?」と言われ出鼻をくじかれるも、半泣きのまま実行に移したわけだ。

まず西野氏は、
「テレビの現場に足を運ばず(プラットフォームの利用者として稼働せず)にテレビに露出しよう」
と、なんとも都合の良いことを考えてみた。

しかし、そんな「テレビに出ずにテレビに出る」というヘンテコ技を決めることは実際問題可能なのだろうか?

ホストクラブに通って知人から3万円を恐喝すれば、朝から晩まで連日テレビに出演できるわけだが、そんなことをしてしまうと女の子からモテなくなってしまう。
兵庫県を代表するスケベ・トイ・プードルたる私に言わせると、交尾が遠退くことが何よりもの損失だワン。

この一週間、
各局、各番組、番組スタッフおよび出演者、そして視聴者が、坂口安里を、ことごとく利用した。

坂口安里という"一個人がテレビのプラットフォームになった"瞬間といってもいいだろう。

しかし残念なことに、あの方法では坂口安里にポイントが入っていない。
売れた名前から失った信用を差っ引いた時に、かなりのマイナスだ。
つまり、「駅としてはメチャクチャ利用されているけれど、切符を売っていない」という状態。

どうやら、たとえプラットフォームになろうが、大幅に信用を失ってしまう『犯罪』は辞めておいた方が良さそうだす。
「だす」と書いてしまったが、そもそも一筆書きで進めている文章なので、このまま修正することなく話を進める。

坂口安里は瞬間、国民のプラットフォームになった。これは大きなヒントだ
言ってしまえば『議論の対象』になってしまえばいいわけだ。

議論だ。議論しかない。
それはまるで人体実験のように、自らの行動でもって世の中に問い、自分自身を議論の題材にするしか爆発的な拡散の道は残されていない。

1日24時間、1年365日、自分に与えれた時間を、「西野の行動は正解なのか、不正解なのか」といった議論が巻き起こる事にフルコミットする。
反対派がいて結構。おおいに結構。
むしろ反対派がいるから、プラットフォームが膨れ上がる。
目指すはプラットフォームタレントだ。

実は『えんとつ町のプペル』も、プラットフォームとして仕上げることに徹底した。
作品そのものをプラットフォーム化したのだ。

楽曲を作ったが、JASRAC登録は断った。
どこかの誰かが『えんとつ町のプペル』を歌って、ライブで勝手にお金を稼いでしまえばいい。
この時、すぐに「スタッフに入るハズの売り上げが…」と偏差値4の糞ド素人どもは誰からも頼まれてもいない心配をして、「そこに気づく私ってスゴイでしょ」をブツけてくるが、CDが10万枚売れることよりも、1億人が知っていることの方が遥かに価値がある。
売り上げの観点からいってもだ。
1億人が知っている作品は、企業からのコラボ商品の話が引く手数多だ。
マネタイズは、そのタイミングでいい。

分業制で作り、「賛成・反対」の議論が巻き起こり、
1万冊を自腹で買い、「賛成・反対」の議論が巻き起こり、
無料公開をして、「賛成・反対」の議論が巻き起こった。
そして、皆が皆、自分の意見を言う時に絵本『えんとつ町のプペル』を経由し、その都度、『えんとつ町のプペル』の宣伝が繰り返えされた。何万回も、何十万回も。

ちなみに、自腹で1万冊を買いとって、その2000万円以上の領収書を自分のInstagramにアップしたところ、たちまち話題となり、その一週間はTVのワイドショーに出まくった。
街中で「最近、よくテレビに出てますねぇ」と声をかけられたが、出ていたのは僕の画像や過去VTRで、僕本体は実質1秒もテレビに出演していない。「1秒も出演していない」は少し盛りすぎたけれども。

爆発的な拡散を狙うには、いかに他人の力を借りるか、いかにプラットフォーム化するかが鍵になってくる。
『えんとつ町のプペル』は「プラットフォームアート」だ。

『えんとつ町のプペル展』がそれを証明している。
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現在、全国各地で『えんとつ町のプペル展』が開催されているが、僕がタッチしたのは東京とミラノだけで、あとは、お客さんが『えんとつ町のプペル展』を主催し、すでに10万人近いお客さんを呼んでいる。

音楽を使うも自由。そこで、どんなグッズを売るも自由。
RADWIMPS風に言うと、著作権から一番遠い場所で待ち合わせをしている。

主催者の皆様には「もし、えんとつ町のプペルを広めようという気持ちでやってくださっているのであれば、ボランティアではなく、売り上げをキチンと上げて、全部自分達に還元してください」と、お伝えしている。
「主催者になりたい」という人が増えれば増えるほど、『えんとつ町のプペル』はプラットフォームとして機能するからだ。

明日から大阪・堺で『えんとつ町のプペル 光る絵本展inイオンモール堺鉄炮町』がスタートする。入場は無料だ。
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主催はAEONさん。

どこかでズッコケるかもしれないけれど、今のところは、このやり方が一番スピードが出る。
ウォルト・ディズニーのいるところまで、一気に駆け上がります。
んでもって、抜きさります。

『えんとつ町のプペル 光る絵本展in堺鉄炮町』の会場には明日の午前中にお邪魔します。
よろ。












































『プロジェクトX ~挑戦者たち~』みたいなタイトルにしてみました。
西野です。こんにちは。


『ハード』と『ソフト』という言葉があります。
分かりやすく言うと、
ハードは、『ファミリーコンピューター(任天堂)』で、
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ソフトは、『スーパーマリオブラザーズ(任天堂)』です。
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このことを踏まえて、今回のお話。

「とにもかくにもタレントは露出正義!」でデビュー当時から全力疾走を続け、途中、梶原氏の全力失踪で全ての仕事を失いましたが、そこから再チャレンジ、"認知タレント"としては25歳でピークを迎えました。

そこで見た景色というのが、まあまあの絶望でして、「しまった。この道の先に『逆転』が待ってないじゃん」状態。

気がつきゃ、僕は、
「『ファミリースタジアム(ナムコ)』よりも…
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『…熱血硬派くにおくん(テクノスジャパン)』だ!」
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「いやいや、『熱血硬派くにおくん(テクノスジャパン)』よりも『ドラコンクエスト(エニックス)』だ!」
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といった感じで、ソフト作りの競争を繰り返していて、"より良いソフトになる"努力を繰り返していました。

もちろん"良いソフト"になれば、その分、自分の取り分が増えるのですが、同時にハードに支払う"みかじめ料"も増えてしまいます。
ナムコが努力すればするほど、テクノスジャパンが努力すればするほど、エニックスが努力すればするほど、任天堂が大きくなるというわけです。
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その頃から、番組プロデューサーやディレクターや構成作家さんが口にする、「あのタレントは使いやすい」「あのタレントは使いにくい」という言葉に違和感を覚えるようになりました。

また、元々芸人をやっていて、漫才やコントで思ったような結果が出せず、芸人を廃業し、構成作家に転職された方々が、2~3年もすると、「あの芸人は使いにくい」という言葉を口にしているのに、さらに違和感。

「使いやすいタレント=ハードの後押しをする人」であるから、「『逆転』から一番離れた場所に向かっちゃうじゃーん」です。

そしてタレントは、スタッフから嫌われてしまうと仕事が無くなるので、「使いやすいタレント(より良いソフト)」になる努力を始めます。
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しかし、その努力量が大きければ大きいほど、ハードに支払っている"みかじめ料"は増え、ハードが潤います。

ここでいう『ハード』は、芸能界のBIG3だとか、その辺りの方々の顔を思い浮かべていただいて、大方間違いはないと思います。
つまり、「BIG3を巨大化させているのは僕たちだ」という話です。
…くれぐれも言っておきますが、これはスタッフ批判でも、BIG3批判でもなく、「構造上、逆転できなくなっている」という説明です。

「それでも御飯を食べていけたら幸せ」と考えるタレントさんもいらっしゃいますが(それも正しいと思います)、キングコング西野の欲はオシャレなパフェよりも深く、
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一番にならないと気が済みません。

あと、最終的にソコに辿り着かないと、日本一嫌われている芸人を応援していると世間から冷たい視線を浴びるので、「西野ファンだ!」と堂々と名乗り出ることができない隠れキリシタン的西野ファンに申し訳ないというのがあります。

ちなみに、キングコング西野の隠れキリシタン的ファンは、僕の顔写真を堂々と踏みます。
炎上時に燃料を投下するのは、だいたいコイツらです。糞がっ!くたばれっ!

話を戻します。

他のタレントさんは、逆転できない構造であることを理解した上で、折り合いをつけて前に進んでいらっしゃるのかもしれませんが、
僕ときたらモーレツに頭が悪いので、一旦、誰よりも露出してみないと、「これ、逆転できねぇ構造じゃん」と気づかなかったわけです。

とは言っても、当時、まだ25歳。
いくらでも巻き返せる時間はあります。

逆転が生まれない原因は「ソフト作りに注いだ時間が、ハードのポイントとして加算されているから」ということが分かったので、任天堂よろしく、「ソフトとハードの両方を作ろう」と決めました。
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「ファミコンのソフトを作るのを辞めて、まずは『プレイステーション』というものを作って、その対応ソフトを…」という作業の始まりです。

そういった作業を始めると、「お前イタイな」とか「空気を読めよ」という声が矢継ぎ早に飛んでくるのですが、無視無視。
僕はファミコンのソフトを作ることを辞めちゃったので、方向性の折り合いがつかなくて当然。
「どちらかが間違っている」というレベルの話ではないと僕は思っています。

自分が作るハードが、自分のハード作りの努力が正しいか正しくないかは、後々、歴史が証明してくれます。
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(※これはこれで好きだったPCエンジン)

ここで、話は芸能界から『絵本作り』に飛ぶのですが、少し長くなったので、2回に分けさせてください。
後半へ続く。後半は→コチラ
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【お知らせ】
『えんとつ町のプペル 光る絵本展in大阪(入場無料)』の開催が決定しました。コチラ↓
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