乙武さんのことですが、言うまでもなく、乙武さんが身体のことでたいへんだからと言って、今回のことを含め、大目に見たり、特別扱いするのはよくないと思います。

一方で、乙武さんが、身体のことで、いろいろたいへんだ、ということも、忘れたくないように思います。

乙武さんから聞いた話で印象に残っているのは、お母さまが、乙武さんが生まれたときに、かわいい、と抱きしめた、そのことを、乙武さんが、とても大切なこととして胸に抱いていらっしゃることです。

それを安全基地として、乙武さんが育ってこられたのではないかと思います。

普通学級に入ると、周囲の子どもたちが乙武さんもいっしょにスポーツができるように、いろいろ工夫してくれたそうです。

たとえば、野球をやるときには、乙武さんが打って、その時にはランナーが立ってていて、乙武さんの代わりに一塁に走ったそうです。

ドッヂボールでは、「乙武がボールを持ったら、半径5メートル以内に相手チームの選手が3人入ること」という特別ルールをつくってくれたそうです。

ぼくは、乙武さんのそのようなお話を、乙武さんのようなハンデを背負った子がクラスにいることで、周囲の子どもたちが育つ、そんな素晴らしい教訓として聞きました。

乙武さんが、たいへんなチャレンジを背負っていらして、その中で前向きに明るく生きてこられたことは、忘れてはいけないことのように、私個人は、思っています。