月別アーカイブ / 2015年11月

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毎日ショーをする生活も残すところ2日となりました。

この12週間、とてもいい内容のショーができています。
イベントスタッフも「ハイスクールツアーの歴史の中で最もいいシーズンだよ」と認めています。いまゴールを目前にしてチームの団結力はさらに増しています。

ハイスクールツアー(ASA High School Tour)は17年の歴史があります。
僕がこのショーに本格的に出演するようになったのは10代後半の頃です。

当時も既にプロとしてお仕事をさせていただいておりましたが、「人より上手ならプロだろう」「世界チャンピオンなら文句ないだろう」などと勘違いをしていて、いま思えばまだ"本物のプロ"はどうあるべきかという答えを持たない未熟者でした。

しかし、そんな僕をハイスクールツアーは受け入れてくれました。
「仕事がある」という理由でアメリカへ移り住み、プロツアー(試合)とショーを繰り返す日々を送りました。実践を繰り返すことでスケーターとして最も成長した時期となりました。"ASAワールドプロツアー"チャンピオンシップで優勝し、さらに"ワールドツアー年間ランキング"の優勝を飾り、その年の"MVP"まで獲得することができました。

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ショーの仕事でも常に自分のベストに挑戦するような滑りを披露するといった、アグレッシブな生活を送っていました。そんな時、僕にとって大きな学びのタイミングがやってきます。

怪我です。

それはまさにハイスクールツアーのショーの最中の出来事でした。
そのハーフパイプがスリップしやすいことをあらかじめ把握していたにも関わらず、少し距離のできる跳ね方で空中に飛び出してしまった僕は安全に受け身をとりにいくべきところを、判断ミスで「着地」を狙い足元がスリップ…。

あ、滑った!

…と、気が付いた時には顔面から転倒しており、前歯は皮膚を貫通して飛び出して鼻は骨折。さらに、おでこからの出血でハーフパイプが血まみれの状況でした。子供たちの真正面でその全ては起こりました…。

あの場にいた全員にとって最悪の緊急事態。
今も頭の中に悪夢として光景が鮮明に蘇る出来事です。そして最低なパフォーマーでした。

「本物のプロとは?」同じプロアスリートでもこの問いに対する答えは人それぞれです。身を置いている状況、勝負の環境が違えば答えも違ってきます。

(ここから先は僕の見つけた答えの話です。これがあなたにとって正解とは限りませんが、サポートになることがあれば幸いです)

僕にとっては、あの出来事こそが「本物のプロ」に対する答えとなりました。
本物のプロは観客の前で血だらけになってはいけないのです。当然のことです。しかし、これが最も難しいことなのです。

自分のプロ意識を深く反省した僕は、スケーティングそのものを見つめなおしました。
そして、ショーの最中では全ての動きをコントロールできる技量が必要だという考えに行き着くのです。パフォーマンス内容のレベルを下げてしまう手もありますが…、しかしそれでは本当の解決とは言えません。手抜き工事を行えば二度と注文がこないばかりか、それはプライドが許しません。

やはり上達するしかないのです。練習の意味から変える必要がありました。
これまで10の力で行っていた動きを7や6に下げて行う練習です。そこで生まれる余裕は他に使えるようになるはずだと考えました。トリックによっては新たに筋力トレーニングも必要となりました。

この考え方は間違っていませんでした。
僕のスケーティングの新しいベースとなって、僕自身を大きく成長させてくれました。今も日々行っている練習やトレーニングは全てこの為のものです。

このトレーニングは結果的に試合でも役に立つことになりました。
トリック自体に余裕ができると心の余裕にもなり、100パーセントの実力を発揮することに繋がってきます。セルフコントロールを含む全てを"冷静"に判断できるようになるのです。

本物のプロが何であるか、それはプロそれぞれです。
僕はあの怪我を経験して見えた答えによって大きく方向転換することができました。おかげで先の見えるスケーティングができるようになったのです。

しかし、当然アグレッシブに攻める時期も必要でした。 
あの時期がなければ世界タイトルはおろかプロとしても生きていけていませんでした。もしもタイムスリップをしてあの悪夢の現場に戻ったとしても、僕は19歳の僕を止めることはしません。本物を目指すなら通るべき道です。(子供たちにショックを与えたことだけは残念ですが…!)

そんな僕もまだ発展途上。
ここからは年齢とプライドを相手にした戦いなのです。



《EY Coach 公式サイト》
アクションスポーツにコーチが存在しない時代はもう終わりです。
これからは安床エイトがアスリートの技術面のサポート、メンタルトレーニング、遠征のサポートなどを行います。「EY Coach」までお気軽にご相談ください!
eitoyasutoko.com/coach

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現在、テキサス州・サンアントニオにてアメリカツアーの第12週目を行っております。
とうとう最後の1週間に入っております。

無事に完走することを目標に走り始めたのに、いざゴールが見えると走り終えることに対して躊躇(ちゅうちょ)してしまっています…。

これは僕はショーの中で生かされているからでしょう。

安心して僕でいられる空間に長く居座ると、今後は脱出するのが少し面倒くさくなってしまいます。

パフォーマンスするだけで生きていける程まだこの世界は甘くないので、そろそろ帰った方がいい頃合いです。

残りの日数もしっかりと自分自身と向き合い、インラインスケート代表として恥のないように完全勝利を目指していきます!



《お知らせ》
安床エイトの【公式サイト】がリニューアルしました!
安床エイトがアクションスポーツのコーチになる「EY Coach」 と、新しい"インラインスケート運動"を行う運動教室「ASC運動教室」のサービスが加わりました。
詳しくは公式サイトをチェックして下さい!

EitoYasutoko.com 

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今日まで我々のアクションスポーツには"コーチ"がいなくて当たり前とされてきました。

それはまだスポーツ自体が若く、正しい指導ができるコーチが存在しなかったことも大きな理由です。しかし第3世代にまで届いたいま、本格的なメジャースポーツ化へと向けて進んできています。

インターネットの普及や海外旅行が安くなったことで30年前に比べても世界が近くなりました。これらの影響で海外での活躍を夢見る若いアクションスポーツのアスリートも増えてきています。

これからは必ず「コーチ」が必要となります。
それも、本当の強さを持ったアスリートの育成ができるコーチが必要となってきます。

僕も気がつけば世界戦に参戦しはじめて20年が経ちました。
僕が今後行わなければいけないことの1つとして、このコーチングは無視できません。できることならば、日本人が強いアクションスポーツであって欲しいと思っています。

これまでの僕自身の経験を活かし、そして様々なアスリートから学んだ知識を活かして、ご依頼があるならばコーチの仕事も始めてみようと決心致しました。

これはもしかすると自分が滑ること以上に向いている役割かもしれません。
自分自身の運動能力にコンプレックスのある僕だからこそ、アスリートひとりひとりの性格やモチベーションに合わせた指導やサポートが担当できるのではないかと思っています。

僕にできることは、アスリートの指導から遠征サポートなど。
例えをあげると、インラインスケートで培ったノウハウを他のスポーツのスキル向上に活用したり、海外遠征に同行することも可能です。技術面以外の指導やメンタル面での悩みなどもアスリート目線からアドバイスさせていただけると思います。

これに伴い、現在公式サイトのリニューアルを行っております。
新しい公式サイトが公開されると【Coach】の案内ページからお問い合わせ頂けるようになりますので、是非お気軽にご相談下さい。

安床エイト公式サイト
EitoYasutoko.com

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